晶文社オンデマンド選書

神話学入門

k・ケレーニイ C・G・ユング   杉浦忠夫訳
A5判 276頁 3780円(本体3500円)
ISBN978-4-7949-1076-9 C1098

古代人にとって、神話とはあらゆる不条理や残酷さを秘めた生きる営為そのものであった。しかし、今日われわれにとって、神話 的始原にかかわることはどのようにして可能か。20世紀屈指の硯学、神話学者ケレーニイと心理学者ユングが「童児神」「少女神」の神話像を手がかりに、神話の本質と根源を明かした「開かれた神話学」のための入門書。

ルネサンスの異教秘儀

エドガー・ウィント  田中英道他訳
A5判  584頁 10044円(本体9300円)
ISBN978-4-7949-1077-6 C1370

ルネサンスの偉大な芸術作品には、目に見える以上の意味が隠されている――ヴァールブルグ学派の硯学が、その豊かな学殖を駆使して、古代の異教の生命をミケランジェロ、ボッティチェルリの中にたどる。ルネサンスの芸術にひそむネオプラトニズムの思想を読み解き、その意味を最深部から捉えた古典的大著。

ルネサンス劇場の誕生 演劇の図像学

ジョージ・R・カーノードル   佐藤正紀訳
A5判 512頁 10584円(本体9800円)
ISBN978-4-7949-1078-3 C1070

ルネサンス劇場の起源を、古代ギリシア・ローマ時代にまで遡って図像学の視点から分析、絵画や彫刻や建築など視覚芸術、祭式や見世物など民衆芸術の伝統の系譜を掘り起こす。演劇空間に秘められた豊穣な意味を解き明かし、演劇詩情に新地平を拓いた古典的名著。「劇場を通じた優れたルネサンス文化論である」(産経新聞評)。

ウィリアム・モリス研究 小野二郎著作集1

A5判 440頁 6696円(本体6200円)
ISBN978-4-7949-1094-3 C1370

「私はモリス研究家ではなくて、モリス主義者である。」――著者の一貫したモリス関心は、モリス問題を今日の最尖鋭の課題として蘇生させた。著者のモリスに関する全論考を集大成した、決定版モリス研究。

書物の宇宙 小野二郎著作集2

A5判 492頁 6804円(本体6300円)
ISBN978-4-7949-1079-0 C1370

「私は『趣味の思想化』というようなことをかんがえているだけである。ゆっくり、まわりくどくやるよりしかたない」――著者のモリス関心は民衆の生活文化全般におよんだ。その中心である書物論ほかのエッセイ群。

ユートピアの構想 小野二郎著作集3

A5判 496頁 6804円(本体6300円)
ISBN978-4-7949-1080-6 C1370

「今日のわれわれの問題のひとつひとつをモリスだったらどう考えるのかを考えるのが、自然な私の習慣になっていた」――芸術・教育・労働への根底的批判を展開する全論考、単行本未収録の初期論文多数。

コレラの世界史

見市雅俊
A5判 304頁 4860円(本体4500円)
ISBN978-4-7949-1081-3 C1022

19世紀――進歩と帝国主義の時代。インドの風土病であったコレラの来襲は、ヨーロッパの大都市、とりわけ大英帝国の首都ロンドンに何をもたらしたか。細菌の側にたって世界史を読み直す、気鋭の歴史学者の野心作。「読み方によっては今日の医療問題を考えるうえで得がたい歴史的示唆を与えてくれる」(日本経済新聞・立川昭ニ氏評)。

蒼ざめた馬

ロープシン   工藤正広訳
四六判 210頁 2484円(本体2300円)
ISBN978-4-7949-1082-0 C1097

「視よ、蒼ざめた馬あり・・・」 黙示録の言葉と共に、今こそよみがえる幻の名著!鮮烈な19世紀ロシア・テロリストの沈鬱な勝利と挫折をテロルの指導者サヴィンコフ自らロープシンの名で世に問うた、美しく私的な行動的文体で綴られた傑作小説。近代文学史に輝く名作。解説・平野謙。

漆黒の馬

ロープシン   工藤正広訳
四六判 170頁 2160円(本体2000円)
ISBN978-4-7949-1096-7 C1097

漆黒の馬に乗るものはだれか。暗いロシアに走る内乱の炎。反革命の宿命に生きる地上の異端者の悲しみと魂の詩。鮮烈な19世紀ロシア・テロリストの沈鬱な勝利と挫折をテロルの主導者サヴィンコフ自らロープシンの名で世に問う。美しく詩的な文体で綴る、『蒼ざめた馬』の続編、二部作ここに完結。

ユーリー・オレーシャ  工藤正広訳
四六判 212頁 3240円(本体3000円)
ISBN978-4-7949-1097-4 C0097

ロシア文学において、故意に無視されてきたもっともみずみずしい才能オレーシャ。その作品は子ども時代の夢を育んだ飛行機や、サーカスや、草の匂いに満ちあふれた感受性の果実である。過酷な粛清をもってしても、ついに断つことができなかった、ロシアの風土に深く根ざした幻想的叙情文学の秀作。珠玉の短編集。