動機の文法
ケネス・バーク 森常治訳
A5判 496頁 7236円(本体6700円)
ISBN978-4-7949-1091-2 C1098
「本書の主題は、人間が思考をおこなうとき、そこに生じる思考の基本形式の考察にある」。詩、小説、戯曲、哲学論文、政治論文、新聞記事、裁判記録、憲法・・・あらゆる人間の思考と行動の記録を分析、言語が人間の思考を動機づける構造を鮮やかに解明。今日の言語学・記号学に多大の貢献をなした、アメリカの批評家バーク畢生の大著。
アレクサンドリア
E・M・フォースター 中野康司訳
四六判 224頁 3456円(本体3200円)
ISBN978-4-7949-1092-9 C0398
1915年、第1次大戦がはじまって2年目、一人のイギリス人が国際赤十字に志願して、アレクサンドリアにやってきた。彼は次第にこの町に魅せられ、やがて、一冊の旅行案内書を書こうと思いつたった。ヨーロッパとアフリカと、文明の十字路で生きた都市の生命の源泉を描いて、本書は比類のない「旅行案内書」となった。
ローマ歴史散歩
エリザベス・ボウエン 篠田綾子訳
四六判 264頁 4536円(本体4200円)
ISBN978-4-7949-1093-6 C0098
「ローマを知るには、汗を流し、靴底をすりへらすことだ。見るだけのローマはボール紙の傑作にすぎない。」(ボウエン)――さまざまな遺跡や風景に触発されながら、ローマの街を歩き、神話の神々から19世紀まで、2500年にわたるこの街の物語を眼前に浮かび上がらせる。イギリスの代表的女流作家による歴史紀行の名品。
少年キム
ラドヤード・キプリング 斎藤兆史訳
A5判 318頁 4104円(本体3800円)
ISBN978-4-7949-1083-7 C0097
あるときは裏町のヒンドゥー小僧。あるときはエリートの英国少年。あるときは高僧の一番弟子。あの子は、誰だ? 19世紀末インド、英露のスパイ合戦を背景に、東西それぞれの知恵と流儀を生きるみなしごキム。その冒険と成長を壮大なスケールで描くノーベル賞作家の最高傑作!「キプリングは混沌をやすやすと現前とさせる」(丸谷才一氏評)。
海とサルデーニャ
D・H・ロレンス 武藤浩史訳
四六判 328頁 3456円(本体3200円)
ISBN978-4-7949-1084-4 C0098
イタリアであって、イタリアでない。孤高の島サルデーニャ。1921年、シチリアに居をかまえていたロレンスは、妻と共にサルデーニャへの旅にでた。ナップザックを背負いこんで、鄙びた宿にからだを横たえ、土地土地の人々と膝をまじえる。機知とユーモアに富むはつらつとした筆遣いでつづる旅の記憶。旅に生きた作家の即興曲にも似た名紀行。
ネモ船長と青ひげ
私市保彦
四六判 344頁 3888円(本体3600円)
ISBN978-4-7949-1098-1 C0098
子どもの国へと越境した作家たちの夢と冒険の世界を、細密な比較をふまえ、鮮やかに批評する。子どもと本の関係を捉え返し、児童文学を問い直した力こもる評論集。「児童文学、幻想文学に関心をもつ読者にとって、さまざまな示唆に富む書物として一読を推奨したい」(毎日新聞評)。
天狗笑い 豊島与志雄童話集
四六判 284頁 3024円(本体2800円)
ISBN978-4-7949-1099-8 C0093
空、風、シャボン玉、影ぼうし、天狗や悪魔や森の動物。子どもたちのむすぶかぎりない夢にそそがれた暖かなまなざし。すぐれた童話作家として名高い著者が、生きることの悲しみ、よろこびをのびやかなユーモアにくるんで書きついだ、忘れがたい物語のかずかず。珠玉の名品「天狗笑い」など18篇を集成。
怪盗対名探偵 フランス・ミステリーの歴史
松村喜雄
A5判 368頁 7344円(本体6800円)
ISBN978-4-7949-1100-1 C0098
巌窟王、鉄仮面、ルコック探偵、ファントマ、怪盗ルパン、メグレ警部、などなど。フランス・ミステリーの系譜を追い、黒岩涙香や江戸川乱歩におよんだ、その影響を探り、日本の推理小説の源流を解明する。「卓見や貴重な資料に満ちているだけでなく、読み物としても十分に楽しめる本である」(読売新聞評)。第39回日本推理作家協会賞受賞。
シャーロック・ホームズの深層心理
小林司 東山あかね
四六判 208頁 4104円(本体3800円)
ISBN978-4-7949-1101-8 C0098
ホームズ物語は「改作」されている!? 短編〈這う人〉の原型を復原し、隠された事件の全貌をあばく巻頭エッセイほか12篇。「ホームズについての豊富な知識と学者としての薀蓄を傾けての仕事だから、手際は鮮やかで思考ゲームとしてのスリルは満点である。(中略)現代人らしい楽しい読み方といえるだろう」(週刊文春評)。
明治の探偵小説
伊藤秀雄
A5判 400頁 5616円(本体5200円)
ISBN978-4-7949-1086-8 C0095
明治はミステリーの宝庫だ!黒岩涙香『岩窟王』、押川春浪『海底軍艦』など、厖大な大衆小説から、ミステリーの醍醐味を掘りおこし、明治の探偵小説史を跡づけた力作評論。「明治期の探偵小説全般を包括的にとりあげた意欲的な本。類書のない分野に投じられた一石であるところが意義深い」(ミステリマガジン評)。日本推理作家協会賞受賞。