岸本葉子著
四六変型上製 264頁
定価:1,650円(本体1,500円)
978-4-7949-6852-4 C0095 〔2014年〕
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一日、せめて半日、江戸に紛れ込んでみたい
――名エッセイストが綴る、大江戸案内にして、年中行事カレンダー
江戸に暮らす人たちは三食、食べていたの?
一人暮らしの人が多かった?
おしゃれはどんなふう?
ほんとうに「宵越しの金」は持たなかったの?
もし江戸時代にタイムスリップできたら、何したい?
1部では、『絵本江戸風俗往来』を片手に東京に残る江戸の風情を探しに、浅草寺の花祭り、駒込の富士塚、山王祭り、向島百花園のお月見、鷲神社の冬の酉市……を訪ね歩く。
2部では、手習いのお師匠さんになったつもりで、江戸の一日を再現。
〈書評掲載〉
東京新聞 2014.8.17(評者:高橋順子さん)
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【目次】
◆はじめに
◆お江戸の一年
1 浅草寺の花祭
春爛漫の隅田川/信仰と遊興と/潅仏会の賑わい/お稚児さんの列/五香水から甘茶へ/虫よけのおまじない/仲見世や奥山では
2 身近な冨士詣
川開きはもともと慰霊祭/富士詣の出立/町なかの山開き/われもわれもと富士塚へ/溶岩あり浅間社あり/いっとき江戸に八百八講/灰を降らせた大噴火も/駒込富士の変わった由来/六月一日は氷の朔日
3 御用祭の夏
納涼の夜店いろいろ/山車が市中を練り歩く/家康様の産土神/町衆の晴れ姿/将軍様がご上覧/疫病退治の牛頭天王
4 秋はお月見
米の相場の決まる八月/向島百花園とスカイツリー/団子作りは未明から/里芋との深いかかわり/農事から遠ざかっても/郊外に遊ぶ季節/十三夜も欠かさずに/二十六夜待ちのどんちゃん騒ぎ
5 火事と喧嘩が華なのは
十月最初の亥の日/深川に移った材木置き場/瓦屋根と土蔵で守る/長屋はとても燃えやすい/臥煙・加賀鳶/いろは組/持ち場をめぐる争い/家を壊して延焼を止める/宵越しの銭を持たないのは
6 歳末近き酉の市
顔見世の頃/田圃の中の「見栄の場所」/鷲神社で繁盛祈願/熊手の大きさを誇る/福運を「搔きこむ」/粋にご祝儀/三本締め/縁起物の八つ頭・粟の餅/市の起こり
7 お正月を迎える
十二月八日が「お事はじめ」/松飾は鳶に頼んで/雑煮・福茶・鏡餅/年内に春が来る/初登城の風景
8 初午の稲荷神社へ
伊勢屋と並んで多いもの/地口画を行灯にして/千束稲荷に残る「またぎ」/だじゃれや歌舞伎のもじりなど/笑いとコミュニケーシーン/識字率の支える媚薬/凧絵師の守る伝統
9 寺子屋へ入門
貸本屋は大はやり/六つの年に机持参で/いろはから「源平藤橘」/机の向きも科目もばらばら/折手本をまね反復学習/往来物は用語例文集/道徳から高等数学まで/個別教育から一斉教育へ/「国民」を育成する近代/明治維新後も存続/「自然の子」と師弟愛
◆お江戸の一日
一日のはじまり/ごはんの支度/着るもの/化粧/髪をセット/仕事に出よう/家事をするうち昼下がり/井戸とトイレ/お風呂でスキンケア/たまの息抜き/そろそろおやすみ/病のときは
1961年神奈川県生まれ。東京大学教養学部卒業。エッセイスト。なにげない日常を切り取った、柔らかく知的なエッセイは、多くの読者の共感を呼んでいる。著書は多数。『幸せは97%で』(中公文庫)、『「和」のある暮らししています』(角川文庫)、『俳句、はじめました』『俳句はじめました 吟行修業の巻』(KADOKAWA/角川学芸出版)、『東京花散歩』(亜紀書房)など。
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