エリザベス・ボウエン著/太田良子訳
四六判上製 480頁
定価:2,970円(本体2,700円)
978-4-7949-6868-5 C0097 〔2015年1月〕
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大好評! エリザベス・ボウエン中期長編 第2弾
20世紀英国文壇の重鎮が、戦時下の人々を描き、
『パリの家』を凌駕する傑作とも賛えられた大長編。
すべての恋人たちは、ボウエンの時間を生きている
ーー青山七恵さん 推薦
ステラの部屋に招かれざる客、ハリソンが押し入ってきた。彼女の愛するロバートが、敵国のスパイであることをほのめかし、黙っていてほしければ……とステラに関係を迫ってくる。
ロバートがスパイなのかどうか、本人に聞けばわかるはず。でも、もし本当にスパイだとしたら、このままふたりの関係を続けていくのは難しい……。恋人どうしであっても詰め寄れない難問をかかえ、ステラは戦時下のロンドンを彷徨う。先行きのない人々の倦怠が、夕暮れに漂っている。この厄介な状況は戦争のせいなのか、それとも、この現実があってこそのふたりなのか。
第二次大戦下のロンドンの実相を描き、ボウエンの哲学的ともいえる人間考察が、その深淵をみせる傑作長編。
〈書評掲載〉
「ミスター・パートナー」2015.4(訳者インタビュー)
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〈読者からのお便り〉
・この訳者は凄い! 訳しにくいボウエンの作品5作を訳出し、更に残りの5作も訳されている由。更に短編90篇余りも半数訳されている。近き将来、太田良子個人全訳の「ボウエン短編全集」の刊行を期待しております! 長編残り5作の訳刊迄、当方の「命」持つかどうか?!(86歳・男性)
アイルランドのダブリンに生まれ、ロンドンに没する。生涯で10編の長編小説と、約90編の短編小説を執筆。代表作「パリの家」がイギリスで20世紀の世界文藝ベスト50の一冊に選ばれるなど、作家として高い評価を得ている。晩年の作「エヴァ・トラウト」は1970年のブッカー賞候補となる。
東京生まれ。東洋英和女学院大学名誉教授。英米文学翻訳家。日本文藝家協会会員。2013年、エリザベス・ボウエン研究会をたちあげ、その研究と紹介に力を注ぐ。訳書に、ボウエン「エヴァ・トラウト」「リトル・ガールズ」「愛の世界」(国書刊行会)、同「あの薔薇を見てよ」「幸せな秋の野原」(ミネルヴァ書房)、ベルニエール「コレリ大尉のマンドリン」(東京創元社)ほか多数。
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