――遠藤周作・トラウマ・踏絵文化
マコト・フジムラ 著 篠儀直子 訳
四六判上製 312頁
定価:2,750円(本体2,500円)
978‐4‐7949‐6954‐5 C0070〔2017年2月〕
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国際的に活躍する日系アーティストによる注目の日本論
新しい日本画の表現を確立し国際的に評価される現代美術家、マコト・フジムラ。クリスチャンでもある著者が、遠藤周作の『沈黙』に導かれて隠れキリシタンの歴史に踏み入り、踏絵のトラウマが生んだ日本独自の美術、文化、風土へ深い洞察力をもって挑む日本論。自身の信仰と創作の歩みを遠藤周作のたどった道にオーバーラップさせる自伝的な試みでもある。東京国立博物館での踏絵との出会い、家族と暮らすニューヨークでの9・11体験、長崎グラウンド・ゼロへの巡礼――。暗闇と不信の時代の先に、著者が見つけた希望とは?
マーティン・スコセッシ(映画監督)推薦!
「マコト・フジムラは注目に値する芸術家であり書き手である。そして偉大なる遠藤周作の作品――とりわけ『沈黙』――を、彼は情熱をもって、忠実に読みこんでいく。それは本書のあらゆるページに見て取れるとおりだ。偉大な芸術家に応答することで、芸術と信仰、及びその両者がひとつになる場についての、美しい沈黙の思索をフジムラは生み出した」
著者マコト・フジムラによる特設サイト
http://silenceandbeauty.com
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【目次】
1 『沈黙』への旅――粉砕
2 美の文化――『沈黙』の文化的コンテクスト
3 曖昧さと信仰――曖昧な日本のわたし
4 グラウンド・ゼロ
5 踏絵文化
6 隠れた信仰が露わになるとき
7 ロドリゴ司祭の贖い
8 孤児から王女へ――トラウマの解消に向けて
9 波を越える沈黙
1960年、ボストン生まれの日系アメリカ人。画家、ビジュアル・アーティスト。1985年から1992年まで、文部省国際奨学生として東京藝術大学大学院博士課程に在籍。稗田一穂、加山又造らに日本画を学ぶ。2003年ホワイトハウス文化担当顧問に日系人として初めて任命される(2009年まで在任)。2015年よりロサンジェルスにあるフラー神学校の文化施設ブレム・センターのセンター長に就任。ベルへブン大学(2011年)、バイオラ大学(2012年)、ロアノークカレッジ(2015年)より、芸術名誉博士号が与えられた。ニューヨーク在住。
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