〈韓国文学のオクリモノ〉
チョン・ミョングァン 著 斎藤真理子 訳
四六判並製 496頁
定価:2,420円(本体2,200円)
978-4-7949-7000-8 C0097 〔2018年5月〕
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誰が知るだろう、この物語のすべてが
一編の復讐劇でもあるということを──
一代にして財を成し、あまたの男の運命をくるわせた母クムボク。並外れた怪力の持ち主にして、煉瓦づくりに命を賭した娘チュニ。巨大な鯨と煉瓦工場、華やかな劇場をめぐる壮絶な人生ドラマが幕を開ける──。ストーリーテラーとして名高い著者が、破壊的なまでに激しく生々しい人間の欲望を壮大なスケールで描き出した一大叙事詩。第10回文学トンネ小説賞を受賞し、韓国で累計15万部を記録したロングセラー、待望の邦訳。
韓国の若い作家を紹介するシリーズ〈韓国文学のオクリモノ〉最終巻・第6回配本。
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【目次】
第一部 波止場
工場/鬼/一つ目/少女/波止場/荷役夫/ローラ/刀傷/ジョン・ウェイン/怪物/暴風雨/出港/流浪/双子
第二部 ピョンデ
ヒメジョオン/コーヒー/雷/ナムバラン/象/オート三輪/沼/煉瓦/トンピョ/スキャンダル/蜜蜂/祈禱師/白内障/娼婦/鯨/彼、または彼女/幽霊/前夜/火柱
第三部 工場
放火犯/刑務所/バークシャー/鉄仮面/王族/出獄/帰還/谷間/トラック/豪雪/大劇場/チュニ、または女王
エピローグ1/エピローグ2
1964年、韓国・京畿道龍仁市生まれ。保険の営業マンなど様々な仕事を経て映画関係の仕事につき、シナリオを手がける。2003年に短編「フランクと私」でデビュー。翌年に発表した本作『鯨』で第10回文学トンネ小説賞を受賞すると、大ヒットとなり一躍人気作家の仲間入りをした。10年に発表した『高齢化家族』は映画化され日本でも『ブーメランファミリー』のタイトルで公開された。その他、これまでの著作に『愉快な下女マリサ』(07)、『僕のおじさんブルース・リー』(12)、『七面鳥と走る肉体労働者』(14)、『これが男の世界だ』(16)がある。
翻訳家。訳書にパク・ミンギュ『カステラ』(ヒョン・ジェフンとの共訳、クレイン)、『ピンポン』(白水社)、『三美スーパースターズ最後のファンクラブ』(晶文社)、ハン・ガン『ギリシャ語の時間』(晶文社)、チョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』(河出書房新社)、ファン・ジョンウン『誰でもない』(晶文社)、『野蛮なアリスさん』(河出書房新社)などがある。『カステラ』で第一回日本翻訳大賞を受賞した。