吉本隆明全集16[1977-1979]

吉本隆明 著
A5判変型・上製 582頁
定価:本体6500円+税
978‐4‐7949‐7116-6 C0395〔2018年7月〕


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戦後の詩人たちは世界をどう表現したか
季節を歌う〈個性〉に訪れる悲劇とは

100名にもおよぶ詩人の分析から、”戦後の感性”の源泉を明らかにした『戦後詩史論』。夭逝、病気、自死を余儀なくされた詩人たちに忍び寄る”季節の病像”を捉えた『吉本隆明歳時記』。2つの名作評論のほかに、単行本未収録2篇をふくむ、同時期の詩や評論、エッセイなどを収録する。第17回配本。

月報は、長谷川宏氏 荒川洋治氏 ハルノ宵子氏が執筆。

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訂正情報(2018年7月19日更新)
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【目次】

I

戦後詩史論

戦後詩史論
戦後詩の体験
修辞的な現在
若い現代詩――詩の現在と喩法――
あとがき
増補版のためのあとがき
新版あとがき
索引

吉本隆明歳時記

春の章――中原中也 梶井基次郎
夏の章――堀辰雄 立原道造 嘉村礒多
秋の章――葛西善蔵 正宗白鳥 牧野信一
冬の章――宮沢賢治 長塚節 諸詩人
春の章――諸歌人
終の章――季節について
文庫版のためのあとがき
新版あとがき

季節論

II

モザイク[『野性時代』連作詩篇13]
広大な沈黙[『野性時代』連作詩篇14]
ゆるやかな街[『野性時代』連作詩篇15]
陽のけむり[『野性時代』連作詩篇16]
これに似た日
「空ニ釘」[『野性時代』連作詩篇17]
音にならない小節[『野性時代』連作詩篇18]
渇いたのどへ
抽象的な街で
欅の説話[『野性時代』連作詩篇19]
風の村[『野性時代』連作詩篇20]

 

III

狂人
情況への発言[一九七九年一月]
都市に関するノート
山下菊二
本を読まなかった
別れ
芥川・堀・立原の話
情況への発言[一九七九年六月]
『記』『紀』歌謡と『おもろ』歌謡――何が原形か――
〈土着〉について――伊藤貞彦への復信I――
生活と情況をめぐって――伊藤貞彦への復信II――
シモーヌ・ヴェーユの意味
遠山啓さんのこと
老い
〈アジア〉的ということ
情況への発言――ひとつの死に関連して――[一九七九年一二月]

 

IV

『野性時代』アンケート
『初源への言葉』あとがき
『試行』第五一~五三号後記

解題(間宮幹彦)

 

◇吉本隆明(よしもと・たかあき)
1924年、東京・月島生まれ。詩人、文芸批評家、思想家。東京工業大学工学部電気化学科卒業後、工場に勤務しながら詩作や評論活動をつづける。日本の戦後思想に大きな影響を与え「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。2012年3月16日逝去。
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