齋藤陽道 著
四六判変型上製 288頁
定価:2,035円(本体1,850円)
978-4-7949-7030-5 C0095 〔2018年7月〕
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聾する身体をもつ写真家が、
声と世界を取り戻すまでの珠玉のエッセイ
今もっとも注目を集める写真家の一人である齋藤陽道さんは、聴覚に障害がある。子どものときから補聴器を付け発声の練習をしてきた(させられてきた)。学校では聞こえるふりをして、休み時間には本に顔を落としていた。子供のときのことを思い出そうとしても、実感となる思い出がない。でも、ろう学校に入って手話と出会ってから、世界が変わった。毎日学校に行くのが楽しくてたまらない。写ルンですが流行ると、友だちを撮りまくった。社会人になると、障害者プロレス団体「ドッグレッグス」でも活躍。そして、いつしか写真の道へ――。
手話、抱擁、格闘技、沈黙……ひとつひとつ向き合えばすべてが声になる。写真家は、さまざまな声と写真を通し、世界を取り戻していく。
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【目次】
1
夕陽の原風景
ドッペルゲンガー
白銀の円
手で話す人
二十歳だった
静けさが鳴る
2
悪意のことば
ほんもののことば
対話の原風景
胸男
まっしろな感嘆
声が咲く
3
やっぱり世界はきれいだね
からだの声
まなざしの声
世界を生きる賢者
音楽の此岸から
音楽の彼岸にて
すくわれる秘境の声
あわいの歌
4
光のあなた
抱擁するまなざし
皮膚の記憶
あとがき
1983年、東京都生まれ。写真家。都立石神井ろう学校卒業。陽ノ道として障害者プロレス団体「ドッグレッグス」所属。2010年、写真新世紀優秀賞(佐内正史選)。2013年、ワタリウム美術館にて新鋭写真家として異例の大型個展を開催。2017年に、7年にわたる写真プロジェクト「神話(1年目)」を発表。精力的な活動を続けている。写真集に『感動』(赤々舎)、『宝箱』(ぴあ)、『点滴ポール』(岩崎航さんとの共著)『写訳春と修羅』『それでも それでも それでも』(ナナロク社)がある。『異なり記念日』(医学書院・シリーズケアをひらく)を同時刊行。