――学びなおし近代日本思想史
先崎彰容 著
四六判上製 316頁
定価:2,200円(本体2,000円)
978-4-7949-7053-4 C0095 〔2018年8月〕
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すべては明治に出揃っている
国防に貧困対策、国のかたちや日本人らしさ……150年間問われ続けてきた近代日本の超難問に、先人たちは苦悩し答えてきた。福澤諭吉から保田與重郎、丸山眞男、橋川文三、網野善彦まで、23人の思想家による日本思想史・再入門。
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【目次】
Ⅰ
ナショナリズム=デモクラシーの時代――福澤諭吉
自由をもとめて自由を殺さないために――中江兆民
ゆれ動く感受性と明治日本――高山樗牛
批評家とは何者か――北村透谷
百年前の「時代閉塞の現状」――石川啄木
「美しいアジア」は何処へ行ったか――岡倉天心
悲哀の時代をどう生きるか――三木清
不安定の底にある「不安」――保田與重郎
自由民権かテロルか――頭山満
もう一つの「近代」――萩原朔太郎
ロマン主義と「孤高」の詩人――伊東静雄
戦後の若き世代へ―丸山眞男
「ごっこ」の世界が終ったとき――江藤淳
ナショナリズムと社会革命―竹内好
ロマン主義とナショナリズム――橋川文三
死者とともに迎える敗戦――柳田國男
象徴天皇制と戦後――和辻哲郎
批評家になるための必要条件――吉本隆明
「からっぽ」な戦後――三島由紀夫
天皇と民主主義――坂口安吾
鎌倉仏教誕生秘話――網野善彦
左翼・右翼が生まれる時――葦津珍彦
戦後70年、憲法改正をどうするか――高坂正堯
Ⅱ
『日本』を組み立てる――明治と現在、百五十年をめぐる旅
現代日本に、大転換はおきるか――近代・反近代・明治日本
ナショナリズムとパトリオティズムは別物か
水戸学の誘惑――会澤正志斎『新論』を読む
美と政治のあいだ――小林秀雄の登場
昭和天皇への「近づき方」――昭和天皇と後醍醐天皇
ナショナリズムの「復権」
微笑と敗戦――荒野に立つ亀井勝一郎
死者を慰霊する季節に――あとがきに代えて
1975年、東京生まれ。東京大学文学部倫理学科卒業。東北大学大学院文学研究科日本思想史博士課程修了。政府給費留学生として、フランス・社会科学高等研究院に学ぶ(専攻:国際日本学)。専門は日本思想史。現在、日本大学危機管理学部教授。
著書に『個人主義から<自分らしさ>へ――福沢諭吉・高山樗牛・和辻哲郎の「近代」体験』(東北大学出版会)、『高山樗牛――美とナショナリズム』(論創社)、『ナショナリズムの復権』(ちくま新書)、『違和感の正体』(新潮新書)、『未完の西郷隆盛』(新潮選書)などがある。