吉本隆明 著
A5判変型・上製 672頁
定価:7,480円(本体6,800円)
978‐4‐7949‐7118-0 C0395〔2019年1月〕
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単行本未収録3篇を収録。
社会の転換期に生み出される「現在」の文学を論じた初めての本格的文芸時評『空虚としての主題』と、名作古典文学の深層と構造を鮮やかに描き切った『源氏物語論』、長く継続的にその主題を追って書き継がれた「アジア的ということ」などを収録する。単行本未収録3篇。第19回配本。
月報は、安藤礼二氏 山本かずこ氏 ハルノ宵子氏が執筆。
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【目次】
Ⅰ
空虚としての主題
書きだしの現象論
抽象的と具象的
イメージの行方
背景のしくみ
感性による否認
固執された〈意味〉
持続された思惟
さまざまな自然
「私」および「彼」の位置
「私」小説に出あう
物語を超えて
嫌悪としての描写
現在という条件
あとがき
文庫版のためのあとがき
Ⅱ
源氏物語論
第Ⅰ部 母型論
第Ⅱ部 異和論
第Ⅲ部 厭離論
第Ⅳ部 環界論
あとがき
わが『源氏』
文庫のための註
『源氏』附記
Ⅲ
鳥の話
天の河原ゆき[『野性時代』連作詩篇30]
旅の終り[『野性時代』連作詩篇31]
水の死
夢は枯野[『野性時代』連作詩篇32]
魚の木
水の絵本[『野性時代』連作詩篇33]
融けた鏡[『野性時代』連作詩篇34]
掌の旅[『野性時代』連作詩篇35]
木の説話[『野性時代』連作詩篇36]
本草譚
坂の曲がり[『野性時代』連作詩篇37]
追憶[『野性時代』連作詩篇38]
葉の魚[『野性時代』連作詩篇39]
葉の声――入江比呂さんに――
Ⅳ
アジア的ということⅠ
アジア的ということⅡ
アジア的ということⅢ
アジア的ということⅣ
アジア的ということⅤ
アジア的ということⅥ
アジア的ということⅦ
「アジア的」なもの
Ⅴ
村上龍『コインロッカー・ベイビーズ』
「文学者」という画像
川端要壽のこと
『赤光』論
村上一郎論
『初期心的現象の世界』について
ドストエフスキーのアジア
源氏物語と現代――作者の無意識――
Ⅵ
『野性時代』アンケート
「百人一答ジャパネスク」アンケート
*
諏訪優
横光利一
際限のない詩魂[高村光太郎]
*
わが子は何をする人ぞ
果樹園からリンゴを盗む
*
『言葉という思想』あとがき
『試行』第五六〜五七号後記
解題(間宮幹彦)
1924年、東京・月島生まれ。詩人、文芸批評家、思想家。東京工業大学工学部電気化学科卒業後、工場に勤務しながら詩作や評論活動をつづける。日本の戦後思想に大きな影響を与え「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。2012年3月16日逝去。