川奈まり子 著
四六判並製 240頁
定価:1,650円(本体1,500円)
978-4-7949-7098-5 C0095 〔2019年7月〕
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淡き懐かしい、少年時代。あの頃、すぐそばにあった
異界の扉がふたたび開く。これは恐い。
――朝宮運河(書評家)
妖し怪し異し世界に触れた少年たちの不思議な体験とは。
異能の奇譚蒐集家による実話怪談ルポルタージュ。
実話奇譚として蒐集された幼少期~成年前の体験談から、少年たちが主人公になっている不思議な話を厳選して綴り明かす。
幽明境を異としない少年たちに襲い掛かる怪異の数々とは。
妖であり怪である、人とは異なる存在を「あやしい」と畏れながらあの者たちに魅了されてしまうのはなぜだろう。幼い日の息子が聞かせてくれるあやしい者たちの話を、どれほど私は楽しみにしていたことか。黄昏時、公園から帰る道すがら、不思議な存在に出遭った物語を聞きながら、妖や怪が棲む世界への憧れと郷愁を覚えずにはいられなかった。私がそこへ還るのは、此の世に永の別れを告げるときだとしても……(本文より)
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【目次】
はじめに
【妖し怪し異し】
宝ヶ池のハク
父のコート
黒いシスター
窓女
落ち武者
隙間のノッペラボウ
ドッペルゲンガー
ケサランパサラン
【学校】
五月の包帯
寄宿学校の怪
上海トンネルのジョシュア
【幽霊】
峠道
心霊ビデオ
霊感封じ
兄貴の心霊写真
女
僕の左に
合図
【冒険奇譚】
古井戸
霊園から疾く来る
廃駅の足音
悲鳴の灯台
割れない窓
玄の島
【家と所縁】
ピアノ
猫と蟲の話
刀奇譚
まあちゃん、行こっか
祖母をすくう――私の夫の体験談
東京都生まれ。女子美術短期大学卒業後、出版社デザイン室勤務、フリーライターを経て、山村正夫記念小説講座で小説を学び、2011年、『義母の艶香』(双葉文庫)で小説家デビュー。単著に『赤い地獄』(廣済堂出版)、『実話怪談 出没地帯』『でる場所』(河出書房新社)、『実話怪談 穢死』『実話奇譚 呪情』『実話奇譚 夜葬』『実話奇譚 奈落』『一〇八怪談 夜叉』(竹書房)、『迷家奇譚』(晶文社)、共著に『嫐 怪談実話二人衆』『現代怪談 地獄めぐり』(竹書房)、『女之怪談―実話系ホラーアンソロジー』 (角川春樹事務所)など、怪談の著書多数。日本推理作家協会会員。