「メイド・イン・イタリー」はなぜ強いのか?

――世界を魅了する〈意味〉の戦略的デザイン

安西洋之 著
四六判並製 240頁
定価:1,650円(本体1,500円)
978-4-7949-7172-2 C0036 〔2020年2月〕


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世界を魅了する
〈意味〉の戦略的デザイン

これまでの高級車、ファッション、食に限らず、生活用品(文具、バッグ、セラミック)、それから教育に至るまで、世界を魅了し続けるイタリア製品のデザイン思想。そこにメイド・イン・ジャパンが覚醒するためのヒントが潜んでいる。

「好き」「美しい」「美味しい」といった感覚を可視化し、モノに意味を与え、作り込み、世界に売り込むその手法とは。日本の「職人」とイタリアの「アルティジャナーレ」はどこが違うのか。イタリア製品はどこに「価値」を生み出しているのか。イタリア企業は経営において戦略的デザインをどのように描いているのか。狭く深く攻めるためのアイディアとは。

本書では、イタリアのデザイン経営学者ロベルト・ベルガンティ教授の紹介者でもあり、盟友である、ヨーロッパで長くコンサルタントをおこない、30年にわたりイタリアに住んでいる著者が、イタリアの文化的文脈・背景をベースに彼らのチャレンジについて深掘りすることで、これからの商品開発・経営・人材教育に欠かせない「意味のイノベーション」を日本の読者に向けて紹介する。

【意味のイノベーションとは】
ロウソクが「灯りをとるため」のものから「心を和ますため」のものになり、写真が「ものごとを記録するため」から「アイデンティティを確立する手段」(たとえば、SNSにおけるセルフィー)に変わってきている。このような「意味の文脈の変化による新しい価値の創出」をベルガンティ氏は「意味のイノベーション」と呼んでいる。

「好き」「美しい」「美味しい」を可視化する。
モノに意味を与える。
作り込むだけでなく、意味を世界に売り込む。
デジタル過剰時代における
「狭く深い」商売の競争優位を解き明かす。
――楠木健(経営学者/一橋大学教授)さん推薦!

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【目次】

序章 意味を問う「メイド・イン・イタリー」

第1部 「メイド・イン・イタリー」を再定義する

第1章 「意味のイノベーション」という戦略的デザイン
第2章 「アルティジャナーレ」が語ること
第3章 世界における「メイド・イン・イタリー」の存在感
*コラム1 「カシミアの帝王」はなぜ哲学書を読むのか?

第2部 衣食住にみる「メイド・イン・イタリー」

第4章 イタリアファッション産業の底力――紳士服とテキスタイル
1 紳士服における意味のイノベーション
2 テキスタイルメーカーの審美眼

第5章 食のグローバルとローカル――プロセッコとスローフード
1 グローバルに席巻するプロセッコ
2 スローフードのゆるやかな革命

第6章 日常空間を彩るモノたち――ファツィオリとモレスキン
1 ファツィオリ――イタリアの音を奏でるピアノ
2 モレスキンの非「メイド・イン・イタリー」戦略
*コラム2 審美眼は継承されるのか?

第3部 「メイド・イン・イタリー」のこれから

第7章 スタートアップ企業は何を考えるか?
――「テクノロジー」から「意味」へのシフト
第8章 アルティジャーノ2.0――デジタルとモノのあいだで
第9章 幼児教育が鍛える審美性――レッジョ・エミリア教育
第10章 EUで磨かれる「メイド・イン・イタリー」
――セラミックを介した文化交流
*コラム3 三つ子の手遊び、百まで

終章 日本のビジネスパーソンが「メイド・イン・イタリー」から学べること

おわりにかえて

 

◇安西洋之(あんざい・ひろゆき)
モバイルクルーズ株式会社代表取締役。De-Tales Ltd.ディレクター。日本の自動車メーカーで欧州自動車メーカーへのエンジンなどのOEM供給ビジネスを担当後、独立。1990年よりミラノと東京を拠点としたビジネスプランナーとして欧州とアジアの企業間提携の提案、商品企画や販売戦略等に多数参画している。また、2009年より海外市場攻略に役立つ異文化理解アプローチ「ローカリゼーションマップ」を考案して執筆・講演活動も行ってきたが、2017年にロベルト・ベルガンティ『突破するデザイン』の監修に関与して以降、「ローカリゼーションマップと「意味のイノベーション」の融合を探索中。著書に、『世界の伸びている中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』、『イタリアで、福島は。』(以上、クロスメディア・パブリッシング)、『ヨーロッパの目、日本の目』(日本評論社)。共著に、『デザインの次に来るもの』(クロスメディア・パブリッシング)、『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか?』(日経BP社)。監修に、ベルガンティ『突破するデザイン』(日経BP社)。
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