吉本隆明全集22[1985-1989]

吉本隆明 著
A5判変型・上製 594頁
定価:7,480円(本体6,800円)
978‐4‐7949‐7122-7 C0395〔2020年4月〕


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古井由吉『槿』(あさがお)
文庫版解説を単行本初収録

「未知の現在」に「世界視線」という概念によって迫ろうとする『ハイ・イメージ論』の「I」、散文詩とも批評的箴言ともみなしうる言語をめぐる思考の記述『言葉からの触手』、1985年~89年の間に書かれた書評などを収録する。単行本初収録1篇。第23回配本。

月報は、先崎彰容氏(日本思想史)、ハルノ宵子氏(マンガ家・エッセイスト)が執筆。

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【目次】

I

ハイ・イメージ論I
映像の終わりから
ファッション論
像としての文学
映像都市論
多空間論
地図論
人工都市論
像としての音階
連結論
走行論
形態論
あとがき

II

言葉からの触手
1 気づき 概念 生命
2 筆記 凝視 病態
3 言語 食物 摂取
4 書物 倒像 不在
5 思い違い 二極化 逃避
6 言葉 曲率 自由
7 超概念 視線 像
8 思考 身体 死
9 力 流れ 線分
10 抽象 媒介 解体
11 考える 読む 現在する
12 噂する 触れる 左翼する
13 映像 現実 遊び
14 意味 像 運命
15 権力 極 層
16 指導 従属 不関[イナートネス]
あとがき

III

小林信彦/写真 荒木経惟『私説東京繁昌記』
イヴァン・イリイチ、玉野井芳郎訳『ジェンダー――女と男の世界』
マルト・ロベール、東宏治訳『カフカのように孤独に』
岸田秀『幻想の未来』
C・G・ユング、野村美紀子訳『変容の象徴』
エーリッヒ・ノイマン、林道義訳『意識の起源史』(上・下)
村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』
ジョルジュ・バタイユ 、湯浅博雄訳『宗教の理論』
松本隆『微熱少年』
ジャン=ポール・サルトル、海老坂武・石崎晴己・西永良成訳『奇妙な戦争――戦中日記』/エーリッヒ・ケストナー、高橋健二訳『ケストナーの終戦日記』
ケン・ウィルバー、吉福伸逸・菅靖彦訳『意識のスペクトル1・2』
サルトル書簡集I、朝吹三吉・二宮フサ・海老坂武訳『女たちへの手紙』
中沢新一『野ウサギの走り』
糸井重里『家族解散』
ジャン=フランソワ・リオタール、小林康夫訳『ポスト・モダンの条件』
村上龍『ニューヨーク・シティ・マラソン』
立花隆『脳死』
エドワード・サイード、板垣雄三・杉田英明監修、今沢紀子訳『オリエンタリズム』
『中島みゆき全歌集』
ジョルジュ・バタイユ、湯浅博雄・中地義和訳『エロティシズムの歴史』
ジャック・ラカン、宮本忠雄・関忠盛訳『パラノイア性精神病』
ミシェル・フーコー、増田一夫訳『同性愛と生存の美学』
グレゴリー・ベイトソン、佐伯泰樹・佐藤良明・高橋和久訳『精神の生態学』
G・ドゥルーズ‐F・ガタリ、豊崎光一翻訳・編集『リゾーム…序』
村上龍『愛と幻想のファシズム』
村上春樹『ノルウェイの森』
ジル・ドゥルーズ、宇野邦一訳『フーコー』
ジル・ドゥルーズ、岡田弘・宇波彰訳『意味の論理学』
辺見じゅん『闇の祝祭』
P・E・デ=ヨセリン=デ=ヨング他、宮崎恒二・遠藤央・郷太郎訳『オランダ構造人類学』
I・プリゴジン/I・スタンジェール、伏見康治・伏見譲・松枝秀明訳『混沌からの秩序』
丸山健二『さすらう雨のかかし』
田村隆一『詩集』
高橋源一郎『優雅で感傷的な日本野球』
古井由吉『槿』
J=N・カプフェレ、古田幸男訳『うわさ』
ライアル・ワトソン、内田美恵ほか訳『スーパーネイチャーII』『ネオフィリア』『水の惑星』
赤坂憲雄『王と天皇』多木浩二『天皇の肖像』
イーフー・トゥアン、山本浩訳『空間の経験――身体から都市へ――』
J・キャンベル、中島健訳『チャーチルの昼寝――人間の体内時計の探求――』

解題(間宮幹彦)

 

◇吉本隆明(よしもと・たかあき)
1924年、東京・月島生まれ。詩人、文芸批評家、思想家。東京工業大学工学部電気化学科卒業後、工場に勤務しながら詩作や評論活動をつづける。日本の戦後思想に大きな影響を与え「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。2012年3月16日逝去。
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