〈犀の教室〉
内田樹 編
四六判並製 312頁
定価:1,760円(本体1,600円)
978-4-7949-7042-8 C0095〔2020年11月〕
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10代のきみに向けて、
5世代20名の識者が伝える
知的刺激と希望に満ちたメッセージ集
コロナ・パンデミックによって世界は変わった。グローバル資本主義の神話は崩れ、医療や教育などを「商品」として扱ってはならないことがはっきりし、一握りの超富裕層がいる一方で命を賭して人々の生活を支える多くのエッセンシャルワーカーが貧困にあえぐ構図が明らかとなった。私たちは今、この矛盾に満ちた世界をどうするかの分岐点にいる。この「歴史的転換点」以後を生きる中高生たちに向けて、5つの世代20名の識者が伝える「生き延びるための知恵」の数々。知的刺激と希望に満ちたメッセージ集。
こんなに誠実な大人たちから、地球を引き継げるワクワクをあなたへ。
──山邊鈴(長崎県立諫早高校3年/「この割れ切った世界の片隅で」作者)
「ウイルス一つによって、わずか数ヵ月の間に、ほんの昨日までこの世界の「常識」だと思われていたことのいくつかが無効を宣告されました。それがどのような歴史的な意味を持つことになるのか、人々はまだそのことを主題的には考え始めてはいません。日々の生活に追われて、そんな根源的なことを考える暇がありませんから。でも、中高生たちはこの「歴史的転換点」以後の世界を、これから長く生きなければなりません。彼らに「生き延びるために」有益な知見や情報を伝えることは年長者の義務のひとつだと僕は思います」(まえがきより)
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【目次】
まえがき 内田樹
■1 Letters from around 30
ポストコロナにやってくるのは気候危機 斎藤幸平
楽しい生活──僕らのVita Activa 青木真兵
これからの反乱ライフ えらいてんちょう
■2 Letters from over 40
君がノートに書きつけた一編の詩が芸術であること 後藤正文
技術と社会──考えるきっかけとしての新型コロナ危機 白井聡
「タテ、ヨコ、算数」の世界の見方 岩田健太郎
支援の現場から考える、コロナ後の世界 雨宮処凛
「大学の学び」とは何か──「人生すべてがコンテンツ」を越えて 増田聡
■3 Letters from over 50
コロナで明らかになった日本の最も弱い部分──対話・エンパシー・HOME 平田オリザ
コロナ禍と人間──私たちはどう生きるのか 想田和弘
台風とコロナ・パンデミックは同じか? 俞炳匡
図太く、しぶとく、生きてゆけ──誰も正解を知らない問題にどう答えを出すか 山崎雅弘
■4 Letters from over 60
医療が無料であること 三砂ちづる
人生100年時代、ポストコロナはダブルメジャーで 仲野徹
メメント・モリ──思いがけない出会いに開かれているために 中田考
ディレンマの知性 釈徹宗
■5 Letters from over 70
ポストコロナ期における雇用について 内田樹
自分に固有の問題を考えること 池田清彦
コロナと価値のものさし 平川克美
マスクについて 鷲田清一
1950年生まれ。武道家・思想家。凱風館館長。
1987年生まれ。経済思想。
1983年生まれ。人文系私設図書館「ルチャ・リブロ」キュレーター。
1990年生まれ。起業家・作家。
1976年生まれ。ミュージシャン。
1977年生まれ。政治学・思想史。
1971年生まれ。医師。
1975年生まれ。作家・活動家。
1971年生まれ。ポピュラー音楽研究・メディア論。
1962年生まれ。劇作家・演出家。劇団「青年団」主宰。
1970年生まれ。映画作家。
1967年生まれ。医療経済学者・医師。
1967年生まれ。戦史・紛争史研究家。
1958年生まれ。疫学者。
1957年、大阪市生まれ。生命科学。
1960年生まれ。イスラーム法学者。
1961年生まれ。僧侶・宗教学。
1947年生まれ。生物学者。
1950年生まれ。文筆家・「隣町珈琲」店主。
1949年生まれ。哲学者。