吉本隆明 著
A5判変型上製 640頁
定価:7,480円(本体6,800円)
978-4-7949-7125-8 C0395〔2021年4月〕
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単行本未収録5篇
初期ヴェイユの考えにそっとじぶんの考えをブレンドし、いたましいヴェイユの貌を描き出した『甦るヴェイユ』、『最後の親鸞』以降に親鸞について考えたことをまとめた『未来の親鸞』などを収める。第26回配本。第Ⅲ期、刊行スタート!
月報は三上治氏(評論家)、赤坂憲雄氏(民俗学者)、ハルノ宵子氏(漫画家)が執筆。
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【目次】
Ⅰ
十七歳
Ⅱ
甦るヴェイユ
Ⅰ 初期ヴェイユ
Ⅱ 革命と戦争について
Ⅲ 工場体験論
Ⅳ 痛みの神学・心理・病理
Ⅴ 労働・死・神
Ⅵ 最後のヴェイユ
あとがき
新書版のためのあとがき
Ⅲ
未来の親鸞
変容論 三願転入 親鸞思想の到達点
浄土論 正定聚の位 ほんとの〈死〉からの言葉
自然論 善悪の転倒 親鸞の声にならない声
還相論 二つの慈悲 比喩としての親鸞
解体論 理念と思想 未来に生きる親鸞
あとがき
Ⅳ
情況への発言――さまざまな反応――[一九九〇年三月]
写真術のはじまり
魔術師のうしろから
魔術師からおくれて
弔辞――菅谷規矩雄――
つぶやきにのる俳句
小栗康平監督『死の棘』
戦時中の恋愛心理ドラマ――『暖流』について――
月島の思い出
現在の東京
変容する都市空間
アメリカの勘違い[ニッポンの現在1]
動機なき親殺し[ニッポンの現在2]
世界転向論
病院のこと
国際連合平和協力法案と憲法第九条[ニッポンの現在3]
一九九〇年、巨人の椿事[ニッポンの現在4]
即位礼と大嘗祭の副産物[ニッポンの現在5]
三島由紀夫「檄」のあとさき
Ⅴ
スティーヴン・ジェイ・グールド『ニワトリの歯』
磯田光一『永井荷風』
村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス』
アラン・ブルーム『アメリカン・マインドの終焉』
中沢厚『石にやどるもの』
石川九楊書『歎異鈔―その二十の形象喩』
丸山健二『水の家族』
丸山静『熊野考』
鷲田清一『モードの迷宮』
山本昌代『デンデラ野』
ジャン=ピエール・シャンジュー『ニューロン人間』
荒木経惟写真集『写真論』
ルネ・ジラール『邪な人々の昔の道』
齋藤慎爾『秋庭歌』
江藤淳『昭和の文人』
『三島由紀夫評論全集』
モーリス・メルロ=ポンティ『見えるものと見えないもの』
古井由吉『仮往生伝試文』
西郷信綱『古事記注釈』
前田英樹編・訳・著『沈黙するソシュール』
『トロツキー自伝』
ユルゲン・ハーバマス『近代の哲学的ディスクルス』
ジャック・デリダ『シボレート――パウル・ツェランのために』
H・S・サリヴァン『精神医学は対人関係論である』
盛田隆二『ストリート・チルドレン』
木山捷平『大陸の細道』
藤田博史『精神病の構造――シニフィアンの精神病理学』
『昭和家庭史年表』
水村美苗『續 明暗』
飯島洋一『光のドラマトゥルギー――20世紀の建築』
フェリックス・ガタリ『機械状無意識』
『牧野伸顕日記』
ダニエル・パウル・シュレーバー『ある神経病者の回想録』
Ⅵ
川端要壽『春日野清隆と昭和大相撲』序文
まれな批評的存在[磯田光一]
稀有なつよい生活の意志力[永瀬清子]
*
吉本隆明語録 一九九〇年―夏―
*
『天皇制の基層』あとがき
習熟と持続
対話について
『吉本隆明「五つの対話」』あとがき
『柳田国男論集成』あとがき
『島尾敏雄』あとがき
『試行』第六九号後記
解題(間宮幹彦)
1924年、東京・月島生まれ。詩人、文芸批評家、思想家。東京工業大学工学部電気化学科卒業後、工場に勤務しながら詩作や評論活動をつづける。日本の戦後思想に大きな影響を与え「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。2012年3月16日逝去。