犬もどき読書日記

石山蓮華 著
四六判並製 190頁
定価:1,650円(本体1,500円)
978-4-7949-7267-5 C0095〔2021年6月〕


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「私は犬みたいに生きることを発見した」

電線愛好家としても知られる石山蓮華、初のエッセイ集。
10歳から芸能活動を開始し、「若くて女性で明るく元気」とまなざされることが当たり前だったことに対する違和感、女性だからと当然のように求められる容姿と毛のケア、「りんごの皮むきができない」「鶴が折れない」などのできないこと、そして読書記録。手垢にまみれた「女性」「ちゃんとした人」としてまなざされる経験を通し、ついに「犬みたいに生きること」を発見する。
漠とした感情から徐々に輪郭を掴んでいく様子を時にひりひりと、時にあっけらかんとつづる、読書×ジェンダー×犬エッセイ!

「そして、何かうまくできないことがあったとしても、犬だったら相当うまくやれている。犬がフライパンに油を引いて、卵を割って、目玉焼きを作って食べるとか、犬が一人で掃除機掛けをするとか、犬が時間通りにラジオを聴くとか。自分を犬だと思うと、一つ一つが信じられないほどすごい」(本文より)

【本書に登場する本(一部)】
『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦(角川文庫)
『浪費図鑑――悪友たちのないしょ話――』劇団雌猫(小学館)
『同級生』中村明日美子(茜新社)
『ドレス』藤野可織(河出文庫)
『春琴抄』谷崎潤一郎(角川文庫)
『こちらあみ子』今村夏子(ちくま文庫)
『82年生まれ、キム・ジヨン』チョ・ナムジュ著、斎藤真理子訳(筑摩書房)
『性食考』赤坂憲雄(岩波書店)
『可愛い女(ひと)・犬を連れた奥さん 他一編』チェーホフ著、神西清訳(岩波文庫)
『バレエ・メカニック』津原泰水(ハヤカワ文庫JA)
『野戦病院』谷崎由依(文学ムック「たべるのがおそい vol.6」より)(書肆侃侃房)
『悲しくてかっこいい人』イ・ラン著、呉永雅訳(リトル・モア)
『ものするひと(全3巻)』オカヤイヅミ(KADOKAWA)
『ぼくを探しに』シェル・シルヴァスタイン著、倉橋由美子訳(講談社)
『夫婦ってなんだ?』トミヤマユキコ(筑摩書房)
『お家賃ですけど』能町みね子(文春文庫)
『「僕ら」の「女の子写真」から わたしたちのガーリーフォトへ』長島有里枝(大福書林)
『フラッシュ――或る伝記』ヴァージニア・ウルフ著、出淵敬子訳(白水Uブックス)
『犬身(上・下)』松浦理恵子(朝日文庫) など

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【目次】

まえがき

夜は短し働け乙女
幻想のいきもの
赤い傘と電柱
愛を買う
渋谷で赤いゲロを吐く
復讐心を燃やして同窓会へ行った話
生垣に突っ込んで転んだ話
耳から妊娠した話
親知らず
りんごの皮むきができない
女ふたりで旅に出た話
私は化粧品を買えない
度数のずれた顔
思い出せない夏
屈辱の土曜日
バターみたいな軟膏
袖から観る舞台
「普通」の容姿
身もだえる自画像
「遊ぶ金欲しさにやりました」
会社を辞め、髪を切って倒れた3月末の話
令和婚した友達
逃げられない算数の話
在宅ギャル
毛の話
女子力のなさを反省しません
名前の話
キスを貸す
あさは呼んでも出てこない
犬みたいに生きたい

あとがき

 

◇石山蓮華(いしやま・れんげ)
1992年生まれ。埼玉県出身。電線愛好家・文筆家・俳優。10 歳より芸能活動を開始。電線愛好家としてテレビ番組や、ラジオ、イベントなどに出演するほか、日本電線工業会「電線の日」スペシャルコンテンツ監修、オリジナルDVD『電線礼讃』プロデュース・出演を務める。主な出演に映画『思い出のマーニー』、短編映画『私たちの過ごした8年間は何だったんだろうね』(主演)、舞台『五反田怪団』、『遠野物語- 奇ッ怪 其ノ参-』、『それでも笑えれば』、NTV「ZIP!」など。文筆家として「Rolling Stone Japan」「月刊電設資材」「電気新聞」「ウェブ平凡」「She is」「母の友」「週刊朝日」などに連載・寄稿。今作が初の著書。
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