大澤真幸 木村草太 著
四六判並製 352頁
定価:1,980円(本体1,800円)
978-4-7949-7263-7 C0031〔2021年5月〕
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なぜ他のものは捨てられても、
天皇制だけは捨てられないのか?
悠久の謎の根幹に挑む
天皇とは何か。天皇制は何のために存在しているのか。天皇の家系は、どうして他の家系と比べて特別に高貴なのか。こうしたことを誰にも納得できるように説明することは、とてもむずかしい。だがいかにむずかしいとしても、天皇制こそが、日本人である「われわれ」は何者なのか、を理解する上での鍵なのだ。
天皇制の過去、現在を論じることを通じて、日本人とは何か、日本社会の特徴はどこにあるのかを探究する刺激的対談。社会学者と憲法学者が、誰もが答えられない天皇制の謎に挑戦する。
天皇制を理解することは、日本社会の中のひとつの政治制度や特殊な文化様式を理解すること(に尽きるもの)ではない。天皇制を見ることは、結局、日本人と日本社会の歴史的な全体を見ることに直結している。──大澤真幸
天皇制は、天皇・皇族にとっても、日本社会にとっても犠牲が大きく、他方で、それが果たしている法的役割も国民の関心も低い。この制度が存在すること自体が最大の不思議だと言わざるを得ない。──木村草太
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【目次】
第1章 現代における天皇制の諸問題──象徴、人権、正統性
第2章 歴史としての天皇制──上世、中世、近世まで
第3章 近代の天皇制──明治維新から敗戦まで
第4章 戦後の天皇制──憲法、戦後処理、民主主義
1958年、長野県生まれ。社会学者。個人思想誌『THINKING「O」』主宰。2007年『ナショナリズムの由来』(講談社)で毎日出版文化賞、2015年『自由という牢獄』(岩波現代文庫)で河合隼雄学芸賞をそれぞれ受賞。他の著書に『不可能性の時代』(岩波新書)、『〈自由〉の条件』(講談社文芸文庫)、『〈世界史〉の哲学』シリーズ(講談社)、『可能なる革命』(太田出版)、『日本史のなぞ』(朝日新書)、『新世紀のコミュニズムへ』(NHK出版新書)など多数。共著に『ふしぎなキリスト教』『おどろきの中国』『げんきな日本論』(いずれも講談社現代新書)、『憲法の条件』(NHK出版新書)、『〈女〉としての天皇』(左右社)などがある。
1980年、神奈川県生まれ。東京大学法学部卒業、同助手を経て、現在、東京都立大学大学院法学政治学研究科法学政治学専攻・法学部教授。専攻は憲法学。著書に『憲法の急所 第2版』(羽鳥書店)、『憲法の創造力』(NHK出版新書)、『テレビが伝えない憲法の話』(PHP新書)、『集団的自衛権はなぜ違憲なのか』『自衛隊と憲法』(共に晶文社)、『木村草太の憲法の新手』『木村草太の憲法の新手2』(共に沖縄タイムス社)、『憲法学者の思考法』(青土社)など。共著に、『憲法の条件』(NHK出版新書)、『憲法という希望』(講談社現代新書)、『憲法問答』(徳間書店)、『ほとんど憲法 上・下』(河出書房新社)などがある。