ドゥニ・カンブシュネル 著 津崎良典 訳
四六判並製 320頁
定価:1,980円(本体1,800円)
978-4-7949-7268-2 C0010〔2021年9月〕
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〈我思う、故に我在り〉は
かくも誤解されてきた!
「〈我思う、故に我在り〉は大発見」「人間の身体は単なる機械」「動物には何をしたっていい」……ぜんぶ誤解だった! 世界的権威が21の「誤解」を提示、デカルトにかけられた嫌疑をひとつひとつ晴らしていく。
「近代哲学の父」「合理主義哲学の祖」などと持ち上げられながら、その実デカルトほど誤解されている哲学者はいない。それでよいのか? 見かねて立ち上がったデカルト研究の世界的権威が、私たちの誤解に逐一反駁を加えながら、デカルト本来の鋭く豊かな思考を再構成する。デカルトが言ってたのはこういうことだったのか! 硬直したデカルト像を一変させるスリリングな哲学入門。
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【目次】
凡例
日本語版への序文
はじめに
1.学校で教わることはどれも役に立たない
2.感覚は私たちを欺く
3.明晰判明でなければ決して真ではない
4.方法の規則は少ししかない
5.神はやろうとすれば3+2=4にできる
6.「私は考える、だから私は在る」というのは大発見である
7.人間の魂は、自分に対して透き通るように立ち現れてくる純粋な思考のことだ
8.人間の精神は、思考するのに身体を必要としない
9.人間の精神は、独り観念を介さなければ何も認識しない
10.人間の意志は無限である
11.人間は、自然の主人にして所有者になるべきだ
12.物質は延長に他ならない、すなわち空間である
13.自然学に経験や実験は不要である
14.人体は、純然たる機械である
15.私たちの魂は、身体を動かすための力を持っている
16.私たちは動物に何をしたって構わない
17.理性は、情動なしで済ませられる
18.私たちの実践上の判断はどれも不確実だ
19.完璧な道徳は手に入らない
20.高邁とは、自由の情念のことだ
21.政治は君主に任せておくべきだ
弁明――簡潔に、対話篇のスタイルで
デカルト主要年譜
訳者後書き
人名索引
1953年生まれ。パリ第1大学パンテオン=ソルボンヌ校名誉教授。デカルト研究の世界的権威。おもな著書に『情念の人』(1995年、未邦訳)、『デカルトの「形而上学的省察」』(第1巻、2005年、未邦訳)など。邦訳に『人がいじわるをする理由はなに?(10代の哲学さんぽ8)』(岩崎書店)がある。
1977年生まれ。国際基督教大学教養学部人文科学科卒業。大阪大学大学院文学研究科修士課程修了。パリ第1大学パンテオン=ソルボンヌ校でカンブシュネル氏に学ぶ。同校哲学科博士課程修了、哲学博士号を取得。現在、筑波大学人文社会系准教授。デカルト関連書の訳書多数。著書に『デカルト 魂の訓練――感情が鎮まる最善の方法』(扶桑社新書)など。