絶滅へようこそ

――「終わり」からはじめる哲学入門

稲垣諭 著
四六判並製 380頁
定価:1,980円(本体1,800円)
978-4-7949-7309-2 C0010〔2022年4月〕


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完新世絶滅期(Holocene extinction)、
あるいは、第六次の大絶滅期に
私たちがなすべきこととは?
全人類に問う「生の哲学」

【すべてが「終わった」状態から考えるとすると、何が見えてくるだろうか】
人間の視点を越えた視座、億年単位の宇宙を問題とする(当然すでに人類などというものもいない)、ある種「至高的な空間」から、「絶滅」を考えたとき見えてくるものとは。荒川修作の思想を系譜する気鋭の哲学者が「総合知としての哲学」を武器に、人類の未来を探究する。

「そろそろ滅びるそこのあなたへ」
成田悠輔[イェール大学助教授、半熟仮想株式会社代表取締役]

「機械の僕(しもべ)のように、家畜のように暮らしたっていいじゃないか。だってもう、“人間”は終わっているんだから」
磯野真穂[人類学者]、推薦!

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【目次】

手引きのようなもの――視野を途方もなく拡張する

1 絶滅へようこそ
2 「まだ始まっていない」と「もう終わっている」の隙間を生きてみる
3 機械のやさしさ
4 食べられたい欲望
5 神はまだ必要なのだろうか
6 人間はツルツルになっていく
7 苦しめば報われるのか?
8 大人しい人間と裁きたい人間
9 暴力と寛容
10 風景なきiPhoneは空虚で、iPhoneなき風景は盲目である
11 自己家畜化とどう向き合うか
12 歴史の終わりとは何だったのか?(過去からの終わり1)
13 村上春樹とピンボール・マシーン(過去からの終わり2)

終わりが始まるまでに――人間の行方

◇稲垣諭(いながき・さとし)
1974年、北海道生。東洋大学大学院文学研究科哲学専攻博士後期課程修了。 文学博士。自治医科大学総合教育部門(哲学)教授を経て現在、東洋大学 文学部哲学科教授。専門は現象学・環境哲学・リハビリテーションの科学哲学。 著書に『大丈夫、死ぬには及ばない──今、大学生に何が起きているのか』 (学芸みらい社)『壊れながら立ち上がり続ける――個の変容の哲学』 (青土社)など多数。
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