レスリー・カーン 著 東辻賢治郎 訳
四六判並製 282頁
定価:2,200円(本体2,000円)
978-4-7949-7329-0 C0036〔2022年9月〕
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男性基準で計画された都市で、
女性たちはどう生きのびてきたか
なぜ、ベビーカーは交通機関に乗せづらいのか? 暗い夜道を避け、遠回りして家に帰らなければならないのはどうしてか? 女性が当たり前に感じてきたこれらの困難は、じつは男性中心の都市計画のせいかもしれません。
これからの都市は、男だけでなくあらゆるジェンダーに向けて作られなければならない。
近代都市は男性による男性のための計画によって形作られてきた。多くの公共スペースは女性のために設計されておらず、母親、労働者、介護者として生活する女性たちに不自由を強いてきた。ヨーロッパでは街を歩くだけで売春婦と思われた時代があり、現代においても危険な夜道は解決されない問題として残っている。フェミニズムを建築的に展開させた本書が、世界を作り出す新しい力(パワー)になるだろう。
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【目次】
イントロダクション:男の街
女は厄介者
都市について書いているのは誰か?
自由と恐怖
フェミニズム地理学について
一章:母の街
フラヌーズ
パブリックなからだ
女性の場所
都市という難所
母親業のジェントリフィケーション
性差別のない街とは
二章:友達の街
友情に生きる
ガールズ・タウン
友情と自由
クィア女性の空間
死ぬまで友達
三章:ひとりの街
パーソナルスペース
おひとりさま
ひとりでいる権利
公共空間の女
尾籠な話
女が場をもつこと
四章:街で声を上げること
都市への権利
安全をDIYする
アクティヴィズムにおけるジェンダー
アクティヴィストの旅
行動が教えてくれるもの
五章:恐怖の街
恐怖心の正体
危険の地理
恐怖のコスト
押し戻す方法
女の大胆さ
交差性と暴力
あとがき:可能性の街
マウント・アリソン大学地理・環境学准教授。女性・ジェンダー研究ディレクター。専門は、ジェンダー、ジェントリフィケーション、フェミニズム。著書に『Sex and the Revitalized City: Gender, Condominium Development, and Urban Citizenship』(2010)がある。
1978年生まれ。翻訳家、建築・都市史研究。関心領域は西欧初期近代の技術史と建築史、および地図。訳書にレベッカ・ソルニット『迷うことについて』『私のいない部屋』などがある。