超インテリアの思考

山本想太郎 著
四六判並製 300頁
定価:2,420円(本体2,200円)
978-4-7949-7387-0 C0052〔2023年10月〕


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住環境への素朴な疑問から、
インテリア、建築、都市の未来を考える

「インテリア」というと、家具の選び方であったり、モダン調・ヴィンテージ調といったテイストのことだと理解されることが多い。けれど実際は私たちの生活とインテリアは切っても切り離せないものであり、普段何気なく暮らしている身の回りのすべてがインテリアだといっても過言ではない。
「家づくり」が専門化されることでブラックボックス化されてしまった現代において、「建築」という専門領域と「生活」をつなぐ大気圏としてのインテリア=「超インテリア」という概念のもとに、日本の生活空間、そして都市の姿を新たに提案する。

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【目次】

はじめに

序章 超インテリア時代の到来

建築から超インテリアへ
超インテリア時代の背景①――ソトとウチの解体
超インテリア時代の背景②――「建てるべきではない」社会への移行
超インテリア時代の背景③――「普通さ」の反撃
超インテリア時代の背景④――コミュニケーションの多様化
「建築の大気圏」のなかで超インテリアを感覚する

第一章 超インテリアとモノ

?1 天井はなんの役に立っているのか
?2 トイレにはなぜフタがあるのか
?3 なぜ畳は絶滅しつつあるのか
?4 塀の内側はインテリアか
?5 後付けバルコニーは建築か
?6 木材は自然物といえるのか
?7 なぜガラス空間はモダンなのか
?8 プラスチックは人類を滅ぼすのか
?9 なぜ三匹目の子ぶたはコンクリートで家をつくらなかったのか
?10 スマートフォン、自動運転車、住空間、どれにお金をつぎ込むか
?11 なぜ壁に絵を飾るのか
?12 柱はインテリアの役にたつのか
?13 雑貨は建材なのか
?14 なぜ扉を開け放しにしたら怒られるのか

第二章 超インテリアとコト

?1 リノベーションは新築の劣化版なのか
?2 なぜ古い建物には抗いがたい魅力があるのか――「ノスタルジー」の源泉
?3 インテリアはその場所で完結するものなのか
?4 《中銀カプセルタワービル》はなぜ解体されたのか――都市の端末としてのインテリア
?5 タテとヨコ、どちらから空間をイメージするか
?6 「空気」をどのようにデザインするか
?7 その部屋の20年後が予想できるか
?8 なぜインテリアで地震対策をしなくてはならないのか
?9 家をお店にしてはいけないのか――インテリアと法規
?10 AIと3Dプリンターで空間を自動生成できるか
?11 なぜ屋根にソーラーパネルをのせたいのか――サステイナブル

第三章 超インテリアの思考

超インテリアと総合性
「機能」と「パッケージ」
超インテリアへのアプローチ
超インテリアへのアプローチ①――「現代」を相対化する
超インテリアへのアプローチ②――コミュニケーションの表現
超インテリアへのアプローチ③――制度・形式の辺境へのアクセス
超インテリアへのアプローチ④――新技術による可能性
超インテリアへのアプローチ⑤――入口のデザイン
超インテリアへのアプローチ⑥――対話された空間

結語 超インテリアは情報を減らさない

社会が総合性をもたなければ、AIも総合性をもたない
超インテリアへのアプローチ⑦――情報を減らさない
総合性をデザインする

あとがき

 

◇山本想太郎(やまもと・そうたろう)
建築家。1966年東京生まれ。山本想太郎設計アトリエ主宰。早稲田大学理工学研究科修了後、坂倉建築研究所に勤務。2004年より現職。東洋大学・工学院大学・芝浦工業大学非常勤講師。 建築作品に《磯辺行久記念 越後妻有清津倉庫美術館》、《来迎寺》、《南洋堂ルーフラウンジ》(南泰裕、今村創平と共同設計・監理)など。著書に、『建築家を知る/建築家になる』(王国社)、共著に『異議あり! 新国立競技場』(森まゆみ編、岩波ブックレット)、『みんなの建築コンペ論』(NTT出版)、『建築設計のためのプログラム事典』(日本建築学会編、鹿島出版会)など。
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