吉本隆明 著
A5判変型上製 704頁
定価:7,810円(本体7,100円)
978-4-7949-7134-0 C0395〔2024年4月〕
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単行本未収録47篇
『吾輩は猫である』『夢十夜』などの漱石の12作品を論じた『夏目漱石を読む』(小林秀雄賞受賞作)、英国留学と満韓の旅を論じた『漱石の巨きな旅』、新聞雑誌の社会・政治時評を再構成した『吉本隆明のメディアを疑え』などを収める。単行本未収録47篇。第35回配本。
月報は清岡智比古氏(フランス語学者)、上村武男氏(文芸評論家、神職)が執筆。
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訂正情報(2024年4月30日更新)
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【目次】
Ⅰ
夏目漱石を読む
〈渦巻ける漱石〉
『吾輩は猫である』
『夢十夜』
『それから』
〈青春物語の漱石〉
『坊っちゃん』
『虞美人草』
『三四郎』
〈不安な漱石〉
『門』
『彼岸過迄』
『行人』
〈資質をめぐる漱石〉
『こころ』
『道草』
『明暗』
あとがき
漱石の巨きな旅
序章 二つの「旅」の意味
〈一部〉「英国留学」の旅
〈二部〉「満韓ところどころ」の旅
漱石年譜ノート
あとがき
Ⅱ
吉本隆明のメディアを疑え あふれる報道から「真実」を読み取る法
1章 見えない政局の「実態」を読み解く
2章 テロと宗教の語られない「本質」
3章 少年犯罪の影にある「真相」
4章 エコノミストが語らない「真実」
5章 あらゆる事件に隠れた「思想」を読む
あとがき
Ⅲ
手の挿話
カリスマ的
四季の愉しみ
季節の変わり目に――TVを読む2
外れたプロ野球予想――TVを読む3
深夜番組で見た健康器具――TVを読む5
精養軒のビア・ガーデン
無意識のナショナリズム――TVを読む12
素人予想を超えた活躍――TVを読む13
芋ようかんと殺気
提灯のあかりに
三粒の木の実
本についての悪
21世紀最初の1日
詩学叙説――七・五調の喪失と日本近代詩の百年
詩学叙説・続――初期象徴詩の問題
上野のかたつむり
ヘンミ・スーパーの挿話
「アジア的」ということ
同時多発テロと戦争
テロと戦争
田中真紀子更迭劇
裏切り続ける民衆の期待
まだ子供の政治
戦後史の難点とは
順をぢの第三台場
自転車哀歓
銭湯の百話
島・列島・環太平洋への考察
佐渡、洗練の味
新訳書の話
自己慰安から普遍性へ
空閑地
Ⅳ
西行の色
偲大原富枝
大原富枝 碑文
高村光太郎『道程』
森鷗外『高瀬舟』
吉田一穂について
西川俳句について
「十七歳ということについて」を読んで
「将たる器」の人――島成郎さんを悼む
五言絶句「総為疎世用」――「良寛さん」展から
本多秋五さんの死
高知聰さんを悼む
埴谷さんの訓戒
J・H・ファーブル『昆虫記』
「夢たち」に寄せて
川上春雄さんを悼む
川上春雄さんのこと
永遠と現在――親鸞の語録から
石川九楊著『日本書史』を読む
反骨の数学者 遠山啓
知っている限りで「SMAP」のこと
石原吉郎「北條」
入沢康夫と天沢退二郎
谷川雁のことなど
中沢新一『チベットのモーツァルト』
檀一雄『太宰治と安吾』
三好十郎のこと
折口信夫のこと
高橋源一郎について――完黙の詩人
大塚睦――清冽な色彩と繊細な線に守られた前衛画家
中原中也について
Ⅴ
田近さんは、日本で屈指のインタビュアーだ
『精神分析事典』推薦文
秋元戯曲のある特色
生得の古典[中村稔]
週刊新潮掲示板
私が選ぶ20世紀の3冊
受賞者の言葉
声と響き
*
『中学生の教科書――美への渇き』「社会」あとがき
『だいたいで、いいじゃない。』はじめに
『追悼私記』文庫版あとがき
『超「20世紀論」』(上)まえがき
『超「20世紀論」』(下)まえがき
『〈老い〉の現在進行形〉まえがき
『日本近代文学の名作』はじめに
『悪人正機』あとがき
『心とは何か 心的現象論入門』あとがき
『読書の方法――なにを、どう読むか』あとがき
『老いの流儀』はじめに
『超「戦争論」』(上)まえがき
『超「戦争論」』(下)まえがき
『ひきこもれ――ひとりの時間をもつということ』あとがき
『日々を味わう贅沢』あとがき
『現代日本の詩歌』はじめに
全詩集へのあとがき
『天皇制の基層』文庫版まえがき
『人生とは何か』あとがき
『悪人正機』文庫版あとがき
解題
1924年、東京・月島生まれ。詩人、文芸批評家、思想家。東京工業大学工学部電気化学科卒業後、工場に勤務しながら詩作や評論活動をつづける。日本の戦後思想に大きな影響を与え「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。2012年3月16日逝去。