アダルトチルドレンの教科書

――回復のメタメソッド

横道誠 著
四六判並製 228頁
定価:1,870円(本体1,700円)
978-4-7949-7427-3   C0011〔2024年6月〕


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物語形式による
アダルトチルドレンの回復メソッド

親による虐待、発達障害、宗教2世、PTSD……多重当事者だからこそ書けた、物語形式によるアダルトチルドレンの回復メソッド。当事者研究、オープンダイアローグ的対話実践で、自分なりのメソッドを発見してください。

依存症、精神疾患、貧困、DVなど、さまざまな事情による機能不全家庭で育った人のために書かれた、回復メソッドの教科書。アダルトチルドレン(AC)の困り事は多様で、一般的な処方箋だけでは対応しきれない。多様な出方をするACの事例にあわせて、当事者自身が回復メソッドを発見する必要がある。それがメタメソッドの考え方。当事者研究とオープンダイアローグ的手法により、数多くの対話型自助グループを主宰する著者の経験知が詰まった、物語形式で語る、アダルトチルドレンの回復指南書。アダルトチルドレン関連の文学・マンガ・映画作品についてのコラムも収録。

【「はじめに」より】
「本書はアダルトチルドレン(機能不全の家庭で育った人)のために書かれています。アダルトチルドレンの困り事は多様ですから、本書では処方箋を並べていくことに合わせて、そのような処方箋を当事者の側から新たに発見する場として「対話型自助グループ」を推奨しています。その意味で本書は「メソッド」の本であると同時に、メソッドを開発するための「メタメソッド」の本でもあります。」

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【目次】

◉はじめに

 

1 アダルトチルドレンに関する基本事項

入口として──ダイキの物語

1−1 心理学的観点から

◉アルコール依存と機能不全家族

◉アダルトチルドレンの類型

◉アダルトチルドレンが抱える諸問題

◉エンパワメントの機能

◉毒親の問題

1−2 医療的観点から

◉逆境的小児期体験

◉複雑性PTSDと発達性トラウマ障害

◉ボーダーラインパーソナリティ症、愛着理論、依存症

1−3 ふたたび心理学的観点から

◉希死念慮の問題

◉HSPの問題

出口として──ダイキの物語

☆COLUMN『くるまの娘』(宇佐見りん著)

☆COLUMN『イグアナの娘』(萩尾望都作)

 

2 さまざまな回復モデル

入口として──アヤカの物語

2−1 傷ついた子どもの回復

◉健康生成論と自己治療仮説。

◉安全基地

◉内なる子ども

◉12ステップ

◉コントロールの放棄と獲得、平安の祈り、認知行動療法の幸福

◉早期不適応スキーマとインナーペアレンツ

2−2 トラウマケアの観点から

◉環状島

◉トラウマインフォームドケア

◉物理的なトラウマ治療

◉マインドフル・セルフコンパッション

◉STAIR/NST

◉心的外傷後成長と多次元的回復

2−3 対話型自助グループのすすめ

◉自助グループの機能

◉持続的幸福のために

◉対話型自助グループの挑戦

◉創作的なメタメソッドの場

出口として──アヤカの物語

☆COLUMN『ブラック・スワン』(ダーレン・アロノフスキー監督)

☆COLUMN『新世紀エヴァンゲリオン』(庵野秀明監督)

 

3 当事者研究とオープンダイアローグの実践

入り口として──リョウの物語

3−1 前もって理解しておくこと

◉当事者研究とオープンダイアローグ的対話実践のやり方

◉グラウンドルールがたいせつ

◉最大のターゲットは環境

◉アドバイスの問題

◉アイ・メッセージ

3−2 自助グループでの当事者研究

◉フラッシュバックについての当事者研究

◉怒りについての当事者研究

3−3 自助グループでのオープンダイアローグ

◉恋愛についてのオープンダイアローグ

◉親との関係についてのオープンダイアローグ

出口として──リョウの物語

☆COLUMN『血の轍』(押見修造作)

☆COLUMN『人間失格』(太宰治著)

 

◉参考文献

◉おわりに

 

◇横道誠(よこみち・まこと)
京都府立大学文学部准教授。1979年生まれ。大阪市出身。文学博士(京都大学)。専門は文学・当事者研究。単著に『みんな水の中──「発達障害」自助グループの文学研究者はどんな世界に棲んでいるか』(医学書院)、『唯が行く!──当事者研究とオープンダイアローグ奮闘記』(金剛出版)、『イスタンブールで青に溺れる──発達障害者の世界周航記』(文藝春秋)、『発達界隈通信──ぼくたちは障害と脳の多様性を生きてます』(教育評論社)、『ある大学教員の日常と非日常──障害者モード、コロナ禍、ウクライナ侵攻』(晶文社)、『ひとつにならない──発達障害者がセックスについて語ること』(イースト・プレス)、『発達障害者は〈擬態〉する──抑圧と生存戦略のカモフラージュ』(明石書店)、『発達障害の子の勉強・学校・心のケア──当事者の私がいま伝えたいこと』(大和書房)など、共著に『当事者対決! 心と体でケンカする』(世界思想社)、『海球小説──次世代の発達障害論』(ミネルヴァ書房)、編著に『みんなの宗教2世問題』(晶文社)、『ニューロマイノリティ──発達障害の子どもたちを内側から理解する』(北大路書房)などがある。
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