ベル・ジャー

シルヴィア・プラス 著 小澤身和子 訳
四六判並製 388頁
定価:2,750円(本体2,500円)
978-4-7949-7435-8 C0097〔2024年7月25日発売予定〕


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わたしはぜんぶ覚えている。あの痛みも、暗闇も——。
ピュリツァ—賞受賞の天才詩人が書き残した
伝説的長編小説、20年ぶりの新訳!

優秀な大学生のエスター・グリーンウッドはニューヨークのファッション誌でのインターンを勝ち取ったとき、夢がついに叶うと信じて喜んだ。しかし、退屈なパーティー、偽善的に感じられる恋人、空虚なだけのニューヨークでの生活に違和感を覚え、世界が支離滅裂なものに感じられる。
そして、とあることをきっかけに精神のバランスが徐々に崩れていく。

世の中は欺瞞だらけだと感じる人、かつてそう思ったことがある人たちに刺さりつづける、英米だけで430万部を売り上げた世界的ベストセラー、待望の新訳。
海外文学シリーズ「I am I am I am」、第一弾!

「どの枝の先からも、丸々とした紫色のイチジクみたいに素晴らしい未来が、手招きしたりウインクしたりしている。あるイチジクは夫と幸せな家庭、それに子どもたち。別のイチジクは有名な詩人で、また別のイチジクは優秀な教授。(…)それらの後ろにも上にも、数えきれないほどイチジクがたわわに実っていた。イチジクの木の幹の分かれ目に座り、飢え死にしそうになっている自分の姿が見えた——どのイチジクを選んだらいいか決められないのだ。あれもこれも欲しくて、ひとつを選んでしまったら、残りすべてを失うと思っている。」――本文より

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<「I am I am I am」シリーズ>
物語を読むことで、今まで見過ごされていた声に触れる海外文学選書シリーズ。「手に取りにくい・堅い・難しそう」じゃない、初めて海外文学を手に取る方にもおすすめできるシリーズです。

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◇シルヴィア・プラス(Sylvia Plath)
1932-1963年。ボストン生まれ。詩人、作家。8歳から詩を、9歳から物語を書き始め、10代から作品が雑誌に掲載される。1955年にスミス・カレッジを卒業後、フルブライト奨学金でケンブリッジ大学へ留学。1960年に詩集『The Colossus』を出版。1963年、唯一の長編小説である『ベル・ジャー』を別名のもと出版。同年、自ら命を絶つ。1982年『The Collected Poems』でピュリツァー賞を受賞。
本書『ベル・ジャー』は英米だけで430万部を売り上げた世界的ベストセラーであり、現在も多くの読者の心を掴んでいる。
◇小澤身和子(おざわ・みわこ)
東京大学大学院人文社会系研究科修士号取得、博士課程満期修了。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン修士号取得。「クーリエ・ジャポン」の編集者を経て翻訳家に。訳書にリン・エンライト『これからのヴァギナの話をしよう』、ウォルター・テヴィス『クイーンズ・ギャンビット』、カルメン・マリア・マチャド『イン・ザ・ドリームハウス』、デボラ・レヴィ『ホットミルク』、ニナ・マグロクリン『覚醒せよ、セイレーン』など。