吉本隆明全集35[2004-2007]

吉本隆明 著
A5判変型上製 696頁
定価:7,810円(本体7,100円)
978-4-7949-7135-7 C0395〔2024年9月19日発売予定〕


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単行本未収録19篇。

古代から近代初期までの古典から選ばれた言葉に批評を付した『思想のアンソロジー』、拉致問題や先の見えない不況など国内外の問題を語る『「ならずもの国家」異論』、生涯のうちで一番多感な想像上の「中学生」に向けて書かれた『中学生のための社会科』などを収める。第36回配本。

月報は島尾伸三氏(写真家)、末次エリザベート氏(翻訳者)が執筆。

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【目次】

思想のアンソロジー

大江匡房『傀儡子記』
大江匡房『遊女記』
『おもろそうし』
片歌(『記』歌謡)
祝詞『六月晦大祓』『大殿祭』
千石イエス
藤田まこと
天草方言

藤原定家『毎月抄』
釈正徹『草根集』
世阿弥『風姿花伝』
池坊専応『専応口伝』
瑞龍鉄眼『鉄眼禅師仮字法語』
南方宗啓『南方録 覚書』
本居宣長『源氏物語玉の小櫛』
頼山陽『黄葉亭の記』
『蕪村書簡集』
福沢諭吉『瘠我慢の説』
平塚らいてう「元始女性は太陽であつた」
感性の思想1
感性の思想2
川端康成『美しい日本の私』
保田与重郎『日本の橋』
坂口安吾『堕落論』
南方熊楠『トーテムと命名』
折口信夫『妣が国へ・常世へ』
柳田国男『海上の道』
小林秀雄『信ずることと知ること』

聖徳太子『憲法十七条』
『遷都平城詔』
吉備真備『乞骸骨表』
宇多天皇『寛平御遺誡』
三好清行『意見十二箇条』
九条師輔『九条右丞相遺誡』
『武家家法』
『御成敗式目』
『建武式目』
『早雲寺殿廿一箇条』
『毛利元就書状』
『一遍上人語録』「消息法語」
『一遍上人語録』「誓願偈文」
『一遍上人語録』「時衆制誡」
唯円編『歎異抄』
顕性房『一言芳談』
明恵上人『夢記』
高弁『一向専修宗選択集の中において邪を摧く輪(「摧邪輪」)』
法然『一念義停止起請文』
親鸞『教行信証』「顕浄土真仏土文類」
貞慶解脱上人『興福寺奏状』
安藤昌益『良演哲論』
佐藤信淵『経済要略下』
吉田松陰『東北遊日記』
木戸孝允『内政充実・地租軽減に関する建言書』
岡倉天心『茶の本』
夏目漱石『文学論』序
森鷗外『ルーソーガ少時ノ病ヲ診ス』
石川啄木『時代閉塞の現状』
辻潤『浮浪漫語』
内村鑑三『戦時に於ける非戦主義者の態度』
河上肇『日本独特の国家主義』
チェンバレン『狂信的愛国主義』
与謝野晶子『粘土自像』
徳冨健次郎『謀叛論』
亀井勝一郎『日月明し』
鈴木大拙『日本的霊性』
出口王仁三郎『弥勒の世に就いて』
中山みき『おふでさき』
あとがき
参考文献

「ならずもの国家」異論
まえがき
Ⅰ「拉致」異論
Ⅱ「金正日」異論
Ⅲ「アメリカ」異論
Ⅳ「石油問題」異論
Ⅴ「軍事力」異論
Ⅵ「不況」異論
Ⅶ「景況判断」異論
Ⅷ「国家と個人」異論

中学生のための社会科
はじめに
第一章 言葉と情感
第二章 老齢とは何か
第三章 国家と社会の寓話

家族のゆくえ
序章 家族論の場所
第一章 母と子の親和力[乳幼児期]
第二章 「遊び」が生活のすべてである[少年少女期]
第三章 性の情操が入ってくる[前思春期・思春期]
第四章 変容する男女関係[成人期]
第五章 老いとは何か[老年期]
あとがき

藤井東先生のこと
頭が危なっかしくなったら――『聖書』――
猫の肉球に関する考察
「理想」の可能性
太宰治との出会い
わたしの毛利ユリ
詞人と詩人
言語論要綱――芸としての言語――
ぼくのしょうらいのゆめ
清岡卓行を悼む
靖国論争にとらわれては日本は変わらない
現代の「老い」
心身健康な時期の太宰治――『富嶽百景』――

書斎とは
日本国憲法第9条アンケート
戦争体験者に聞く「心にしみた一冊」――『新約聖書』――
石川九楊『「二重言語国家・日本」の歴史』
浮海啓第一詩集を推す
高次の短歌的表現[岡井隆]
秋山清賛
現代詩最後の古典
『中学生のための社会科』自筆広告
『吉本隆明「食」を語る』まえがき
『幼年論 21世紀の対幻想について』まえがき
『時代病』あとがき
『全南島論』まえがき『全南島論』あとがき
『子供はぜーんぶわかってる 超「教師論」・超「子供」論』まえがき
『13歳は二度あるか 「現在を生きる自分」を考える』あとがき
『詩学叙説』あとがき
『還りのことば 吉本隆明と親鸞という主題』まえがき
『老いの超え方』あとがき
『初期ノート』光文社文庫版のためのあとがき
『思想とはなにか』序『思想とはなにか』あとがきに代えて
『生涯現役』まえがき

解題

 

◇吉本隆明(よしもと・たかあき)
1924年、東京・月島生まれ。詩人、文芸批評家、思想家。東京工業大学工学部電気化学科卒業後、工場に勤務しながら詩作や評論活動をつづける。日本の戦後思想に大きな影響を与え「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。2012年3月16日逝去。