伊藤亜和 著
四六判並製 256頁
定価:1,760円(本体1,600円)
978-4-7949-7452-5 C0095〔2024年11月22日発売予定〕
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愛し愛されながらも寄る辺ない
そんな彼女が紡ぐいとしい言葉たち
──帯文・山田詠美
日本人で文学好きのママと、セネガル人のキレやすいパパの間に生まれた亜和と弟。おだやかな祖父と口うるさい祖母、そして海の向こうにいるまだ見ぬ姉など、いずれも個性的な家族たちが織りなす、愛と旅立ちの物語。ジェーン・スー、糸井重里など多くの文化人がその才能を認める文筆家の第二作は、晶文社スクラップブックで大評判だった連載に、note記事、書き下ろしを加えた、せつなくも愛おしいエッセイ集。
まだなんの荷造りもできていないこの部屋から、私はきっと少しずつ荷物を運び出し、さりげなくいなくなっていくのだろう。それは他でもなく、私にまだ「さようなら」と言う勇気がないからだ。誰のためでもなく、私は家族と離れることが寂しいのだ。それでも私はこの家から出ていく。誰のためでもなく、私自身のため、いつか新しい家族を作るために、ひとりで生きてみたいのだ。(本文より)
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【目次】
■ I
文才って
オール・アイズ・オン・ミー
私を怒鳴るパパの目は黄色だった
ハムスターの心臓
宇宙人と娘
ママの恋人
セイン・もんた
いれもの
■ II
アヒルの子
Nogi
竹下通りの女王
ウサギ小屋の主人
小さいバッグとは人間に与えられた赦しである
ごきげんよう
26歳
ジジ
■ III
人のパラソルを笑うな
死んでいく
MUMMY & AMY SAYS
陽だまりの季節
笑って損した者なし
モンスター
「はっ」
アワヨンベは大丈夫
出ていきます!
あとがき
1996年横浜市生まれ。文筆家。学習院大学 文学部 フランス語圏文化学科卒業。noteに掲載した「パパと私」がX(旧Twitter)でジェーン・スー氏、糸井重里氏などの目に留まり注目を集める。著書に『存在の耐えられない愛おしさ』(KADOKAWA)がある。