――国鉄改革の一真相
竹田正興 著
四六判並製 160頁
定価:1,760円(本体1,600円)
978-4-7949-7456-3 C0021〔2024年12月20日発売予定〕
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強固な良心の
リーダーシップ
国鉄改革の波が押し寄せる中、鉄道関連事業もまた存続の岐路に立たされていた。かつて外食業界の頂点に君臨した日本食堂株式会社(日食)も、その激動から逃れることはできなかった。「日食不要論」が広がる中で、「正直、正確、品質本位」を信条に同社は果敢に改革に挑み、奇跡的な大変革を成し遂げる。だが、その成功の裏にはどのような戦略とドラマがあったのか? 社長として会社を率いた著者が、知られざる真実の歴史を初めて明かす。
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【目次】
Ⅰ 国鉄分割民営化に伴い、日本食堂も地域分割
1 あえて新本社ビルを竣工させた日食加賀谷社長
2 分割四子会社は各JR系列に、親日食はどん底に転落
3 迫られる経営の大チェンジ、急がれるJR東日本系列入り
Ⅱ JR東日本は日食不要論だった
1 JR東日本の日食不要論、三つのわけ
2 日食不要論を覆した寝台特急北斗星食堂車営業の大成功
Ⅲ 「日食株のJR東日本取得」に立ちはだかる二つの難関
1 JR東日本の出資ゼロ!困った株主構成
2 運命を分けた旧精養軒岡本家所有の二七二万株買い取り成功
3 住田会長「日食に一〇〇億円も!」、加賀谷さんの執念実る
4 日食株高評価は「日食先人の土地遺産と旺盛な鉄道貢献心」
Ⅳ 日食の正直改革は、先ず「旧きゅうへい弊、悪弊」を正すことから
1 創業五〇年、蓄積した数々の旧弊、悪弊
2 旧弊、悪弊是正に必要な監査法人、法律事務所の助力
3 先ず「不良資産、不良子会社、不採算店舗」の廃止
4 次に仕事の「嘘誤魔化し」、「いい加減」、「不明朗」の勇気ある是正
5 突如倒産リスクとなった厚生年金基金の解散断行
Ⅴ 正直に、正確に、品質本位で「日食正直改革」実行
1 嘘誤魔化しの弁当販売→新鋭弁当工場で正直・高品質実現
2 ワゴン売上金の計算正常化→ハンディーPOS開発で正確計算
3 仕入れの正常化→仕入れのソフト・ハードを刷新し、品質本位に
Ⅵ 大チェンジ・正直改革達成で、日本レストランエンタプライズ(NRE)として発展
1 本社・現場直結体制で経営能力のレベルアップ
2 「やる気のパートタイマー+ ハンディーPOS」導入の相乗効果
3 セントラルキッチン、配送機能を有する商品本部設立
4 品質本位事業の拡大展開とブランド化実現
Ⅶ 取り残された駅弁当屋、車販会社は日食への統合で救済
1 家業駅弁屋の見切りどき
2 東北線車内販売小池知明社長の先見
3 女性客に嫌われた「そば立ち食い」
Ⅷ NRE有機主義宣言で、日本発世界に「オーベントー」提案
1 認証制度発足三年前の一九九七年「NRE有機主義宣言」へ
2 弁当革命で究極の有機米冷凍弁当の「オーベントー」誕生
3 オーベントーをアメリカから世界に
4 オーベントーは日本農業再生への象徴的プロジェクト
1940年新潟県生まれ。1963年一橋大学法学部卒業、日本国有鉄道入社。職員局労働課課長補佐、警察庁茨城県警出向。広島鉄道管理局総務部長、経理局主計課長などを経て1987年日本食堂株式会社(旧、株式会社日本レストランエンタプライズ)入社。1996年同社社長就任。2003年12月同社退社、国土交通省運輸審議会委員に就任。2008年10月運輸審議会会長、2009年一二月財団法人交通協力会会長、2011年社団法人日本交通協会副会長兼理事長。2014年、同会長。著書に、『品質求道』(東洋経済新報社)、『安全と良心 -究極のリーダーシップ』『新版 安全と良心 -安全立国への道』『危うい国、日本 -防備不足の罠』(いずれも晶文社)などがある。