晶文社のあゆみ

■創業の御挨拶
私どもは、このたび晶文社という名のささやかな書肆を開きました。俗にいう山椒は小粒でもピリリと辛いの意気です。もっとも尖端的で、同時にもっとも伝統的なもの、要するに語の根源的な意味でのラジカルな出版物を出したいというのが私どもの願いです。
(昭和36年4月、当時の代表取締役 中村勝哉による創業の御挨拶より抜粋)
■晶文社略年譜
1960~19691970~19791980~19891990~19992000~2009
2010~
1960 2月、中村勝哉、小野二郎が晶文社を設立

『首都圏 高校受験案内』

1961 寺田透『理智と情念』上下巻

『島尾敏雄作品集』全5巻 刊行開始(~67年完結)

1966 『ポール・ニザン著作集』全9巻・別巻2 刊行開始(~75年完結)

『長谷川四郎作品集』全4巻 刊行開始(~69年完結)

ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガー『政治と犯罪』

1967 植草甚一『ジャズの前衛と黒人たち』
1968 ジョルジュ・バタイユ『青空』
1969 創立10周年記念企画『ヴァルター・ベンヤミン著作集』全15巻 刊行開始

『チェーザレ・パヴェーゼ全集』全17巻 刊行開始

『長谷川四郎作品集』全4巻、第23回毎日出版文化賞を受賞

1970 ドリス・レッシング『草は歌っている』
1971 「文学のおくりもの」シリーズ 刊行開始

アイザック・B・シンガー『短い金曜日』

ビリー・ホリデイ『奇妙な果実』、

ピーター・ブルック『なにもない空間』

植草甚一『ワンダー植草・甚一ランド』

1973 雑誌「ワンダーランド」(植草甚一責任編集)を創刊

(のちに「宝島」に改名。74年1月まで刊行)

デイヴィッド・ドルトン『ジャニス』

1974 学参部門を分離し、晶文社出版(文京区湯島)を設立

ホルヘ・ルイス・ボルヘス『幻獣辞典』

ボブ・ディラン『ボブ・ディラン全詩集』

筒井康隆『暗黒世界のオデッセイ』

1975 ジョン・レノン『絵本ジョン・レノンセンス』

リチャード・ブローティガン『アメリカの鱒釣り』

1976 『植草甚一スクラップ・ブック』全41巻 刊行開始(~80年完結)

『長谷川四郎全集』全16巻 刊行開始(~78年完結)

1977 つげ義春『つげ義春とぼく』
1978 アイザック・B・シンガー、ノーベル文学賞を受賞
1979 スーザン・ソンタグ『写真論』

ウラジミール・ナボコフ『ナボコフ自伝-記憶よ、語れ』

1980 創立20周年出版『島尾敏雄全集』全17巻 刊行開始(~83年完結)

「ダウンタウン・ブックス」刊行開始(~81年完結)

春名徹『にっぽん音吉漂流記』 第11回大宅壮一ノンフィクション賞受賞

1981 『ディネーセン・コレクション』全4冊 刊行開始(~82年完結)

『ベルトルト・ブレヒト・コレクション』全4冊

アルフレッド・ヒッチコック&フランソワ・トリュフォー『映画術』

レイモンド・マンゴー『就職しないで生きるには』

1982 「就職しないで生きるには」シリーズ 刊行開始

→早川義夫『ぼくは本屋のおやじさん』

ジム・キャロル『マンハッタン少年日記』

宇佐美承『さよなら日本』 第13回大宅壮一ノンフィクション賞受賞

1983 シリーズ「犀の本」、「晶文社セレクション」 刊行開始

スタッズ・ターケル『仕事!(ワーキング)』

1984 『オーウェル・小説コレクション』全5巻、長田弘『深呼吸の必要』
1985 「子どものためのライフスタイル」シリーズ 刊行開始

→マリリン・バーンズ『考える練習をしよう』

シリーズ「晶文社アルヒーフ」 刊行開始

ナディン・ゴーディマ『戦士の抱擁』 ノーベル文学賞

スタッズ・ターケル『「よい戦争」』 ピュリツァー賞受賞

1986 『小野二郎著作集』全3巻、「シリーズ日常術」 刊行開始
1987 『古川ロッパ昭和日記』全4巻 梓会出版文化賞受賞
1988 『耕治人全集』全7巻 刊行開始(~89年完結)

『ブルックナー・コレクション』全7冊 刊行開始(~03年完結)

→アニータ・ブルックナー『秋のホテル』 ブッカー賞受賞

1989 宮下志朗『本の都市リヨン』 大仏次郎賞受賞
1990 第6回 出版梓会 出版文化賞を受賞
『オリバー・サックス・コレクション』全5冊 刊行開始
1991 アート・スピーゲルマン『マウス』 ピュリツァー賞受賞
1992 オリバー・サックス『妻を帽子とまちがえた男』

ピーター・フランクル『数学放浪記』

1994 「植草甚一倶楽部」シリーズ全5巻 刊行
1995 ローズマリー・ストーンズ『自分をまもる本』
1996 サックス『手話の世界へ』 第50回毎日出版文化賞・自然科学部門

『鶴見俊輔座談』全10巻

1997 ラドヤード・キプリング『少年キム』 ノーベル文学賞
1998 『山下洋輔エッセイ・コレクション』全3巻

長田弘『記憶のつくり方』 桑原武夫学芸賞受賞

エンツェンスベルガー『数の悪魔』

1999 神沢利子『おばあさんになるなんて』
2000 『ウィリアム・モリス・コレクション』全7巻9冊 刊行開始

田口ランディ『できればムカつかずに生きたい』 第1回婦人公論文芸賞

2002 晶文社ミステリ 刊行開始

松田哲夫『印刷に恋して』(イラスト 内澤旬子) ゲスナー賞銀賞受賞

上野創『がんと向き合って』 日本エッセイスト・クラブ賞受賞

内田樹『「おじさん」的思考』

2003 『小沢昭一百景・随筆随談選集』全六巻 刊行開始(~04年完結)

西村佳哲『自分の仕事をつくる』

2004 『植草甚一スクラップ・ブック』全巻復刊開始

葉祥明『ヒーリング・キャット』

2005 11月、中村勝哉 逝去
2006 4月、晶文社出版(学参、実用書)と合併

ジャネット・ウィンター『バスラの図書館員』 やまねこ翻訳大賞受賞

エマ・ラーキン『ミャンマーという国への旅』アジア・太平洋賞大賞受賞

2007 ドリス・レッシング、ノーベル文学賞を最高齢で受賞

レイ・ブラッドベリ『さよなら僕の夏』

2008 植草甚一生誕100年記念『植草甚一 ぼくたちの大好きなおじさん』
2009 植草甚一『ぼくは散歩と雑学がすき』新装復刊
2010 創立50周年

4月、千代田区外神田から神田神保町へ移転

恩田陸『土曜日は灰色の馬』、シャーロット・コットン『現代写真論』

2011 谷川俊太郎詩 塚本やすし絵 『そのこ』

藤村靖之 『月3万円ビジネス』

2012 レイ・ブラッドベリ サム・ウェラー著 小川高義訳 『ブラッドベリ、自作を語る』

三遊亭好楽 『好楽日和。』

2013 谷川俊太郎/【解説】飯沢耕太郎 『写真』
内田樹『街場の憂国論』
2014 『吉本隆明全集』全38巻・別巻1 刊行開始
内田樹編『街場の憂国会議』
2015 鶴見俊輔 『昭和を語る』
内田樹編 『日本の反知性主義』
2016 佐藤優 『現代の地政学』
片岡義男 『万年筆インク紙』
2017 『吉本隆明全集』 第Ⅰ期完結

鳥海修『文字を作る仕事』 第65回日本エッセイスト・クラブ賞受賞

仲野徹『こわいもの知らずの病理学講義』

2018 仲野徹『(あまり)病気をしない暮らし』
鷲田清一『濃霧の中の方向感覚』
2019 内田樹『街場の平成論』
内田朋子ほか『すごいぞ! はたらく知財』
2020 『吉本隆明全集』第Ⅱ期完結
第17回 出版梓会 新聞社学芸文化賞を受賞
『つけびの村』『急に具合が悪くなる』他にて
2021 竹倉史人『土偶を読む』サントリー学芸賞受賞(第43回/社会・風俗部門)
永井玲衣『水中の哲学者たち』
2022 スヌープ・ドッグ 著 KANA 訳『スヌープ・ドッグのお料理教室』
2023 吉本ばなな『はーばーらいと』
岡博之『サンミュージックなお笑いの夜明けだったよ!』
ハルノ宵子『隆明だもの』

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